障がい者の活躍

障がいや難病を抱える人と企業の協働モデル構築 VALT JAPAN

職場マネジメント

2024年12月19日 転載元:リクルート ワークス研究所

障がいや難病を抱える人と企業の協働モデル構築 VALT JAPAN

VALT JAPANは、障がいや難病があって働くことに困難を抱えた人たちと民間企業を結びつけ、当事者一人ひとりのスキルを生かした仕事を提供する。
目指すのは当事者と企業の協働による、労働市場の構造変革だ。

日本財団の2018年の調査によると、障がいや病気、ひきこもりなどのため、就労に困難を抱える人の数は延べ1614万人に及ぶとされる。VALT JAPANの代表取締役CEO、小野貴也氏は「労働市場に不足感が強まる一方、就職の難しい人がいるという不均衡を是正したい」と、2014年に同社を設立した。

障がいなどがあり一般就職が難しい場合、就労継続支援事業所(以下、事業所)や、企業の障がい者雇用枠が主な就労場所となる。事業所の業務は、障がいの種別や程度にかかわらず、すべての利用者が梱包作業のような内職や、パン・菓子などの食品製造といった仕事をするケースが多い。たとえ利用者20人のうち、2人がPCを操作できたとしても、事業所の支援員がその2人のために、企業に営業して業務を受注するのは難しいからだ。

同社は全国約2000カ所の事業所と4万人を超える利用者ネットワークを組み、スキルや特性などをデータベース化している。一方で累計370社を超える企業から仕事を受注し、データに基づいて個々に応じた仕事を割り振っている。「我々が10人分のデータ入力作業を受注し、A事業所に2人分、B事業所には3人分などと割り振ることで、働き手は持っているスキルを発揮できるのです」

最近は特にデータベース開発に必要な大量のデータ収集や加工業務、AIに学習させるためのデータ作成業務など、DXまわりの業務提供に力を入れている。こうした業務は報酬も比較的高いため、受託した事業所の平均賃金(月額)が1万2000円から4万4000円に増加したという。賃金だけでなく、自分の得意分野を生かして収入を得られることで、働き手が自信を高め、企業への就職活動にチャレンジし成功するケースも出てきている。

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