ブライダル総研×iction!はたらく二人を応援!結婚・出産後も、仲良し夫婦が続くヒケツは?〜夫婦タイプ診断&ワークショップ〜開催レポート 後編
iction!の取り組み 、 イベント 、 共働き
2019年04月18日
2019年3月17日(日)、ゼクシィ・ゼクシィBabyを通じ、夫婦関係に詳しいリクルート ブライダル総研と、はたらく育児を応援するiction! がコラボレーションして、これからの二人がよりうまくいくためのイベントを開催しました。
前編では、共働きのメリットと男女それぞれが家事育児分担に感じている課題や、夫婦関係の現状についてお届けしました。
→ ブライダル総研×iction! はたらく二人を応援!結婚・出産後も、仲良し夫婦が続くヒケツは?〜夫婦タイプ診断&ワークショップ〜開催レポート 前編
後編では、臨床心理士として、カップルのカウンセリング経験をお持ちの山崎和佳子さん、野田亜由美さんによる『夫婦タイプ診断&ワークショップ』の模様をお届け致します。
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夫婦は山登り。人生の難所を乗り切るために必要なスキルや装備とは?
山崎さん、野田さんは普段、夫婦関係に課題を感じているカップルのカウンセリングを中心に行っているとのことですが、今回の参加者は、結婚を控えたカップルや、これから初めての育児を迎える予定のご夫婦。「夫婦のすれ違いは、ちょっとしたことがきっかけで起こるものだと感じています。今日は、ぜひご自分とパートナーのことを知って、そうしたすれ違いが防げるようになるといいなと思っています」との声から始まりました。
「これまで夫婦とは、『家づくりのようなもの』と言われることが多かったですが、わたしたちは『山登り』に例えています」
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夫婦の山登りには平坦な場所ばかりではなく、『第一子誕生』『転職・独立』『自分やパートナーの病気』など、いくつか難所があり、思ってもみなかったようなすれ違い・衝突が起こりがちです。
一緒に楽しく山を登るには、
・夫婦関係の基礎力(装備・エネルギー、チームワーク)や
・難所を乗り越える知識(コーピングスタイル、コミュニケーションパターン)
などのスキル、メンテナンスが必要です。これを知っておくことで、夫婦のすれ違いは防ぎやすくなるのです。
今回のワークショップでは、人生の難所を乗り越える知識として、「コーピングスタイル(危機への反応パターンと乗り越え方のタイプ)」についてお伝えしました。
ストレス下での対応スタイルが衝突してネガティブなコミュニケーションへ発展する
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ストレス下で人はまず「安心感」を得ようとします。ですが、安心感を得る方法は人それぞれ違い、例えば
『一人でいたい』タイプ(自立型)の人は
・情報収集をする
・状況を整理して理解する
・一人で落ち着く時間を取るといった対応をするのに対して、
『人と一緒にいたい』タイプ(チーム型)の人は
・誰かに連絡をする
・気持ちを受け止めてもらう
・愚痴を言う
などの対応をとります。このストレス対応のスタイルが違うと、出産・育児など強いストレスがかかる状況では、お互いのニーズがぶつかって、「こうしてほしいのにしてくれない」というすれ違いや衝突が起こりがちです。
そして徐々に、コミュニケーションがネガティブなサイクルにエスカレートして、お互いへの愛情が減り、夫婦のチームワークがどんどん弱くなってしまうこともあります。
「自立型」「チーム型」組み合わせによりストレス下で起こりやすい衝突パターンとは?
今回のワークショップでは、簡単なアセスメントを使って、一緒に乗り越えたい「チーム型」と、自分で乗り越えたい「自立型」の2つのどちらなのか、参加者のみなさんに自己診断をしてもらいました。この診断により、自分やパートナーのストレス対応スタイルの傾向を知ることができます。
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「大事なのは、表面に見えている言葉や態度の裏にある、隠れた気持ちやニーズに気づくこと」
例えば、「自分で状況をコントロールできている」と感じると安心できる「自立型」は、ストレス下で、相手から距離をとって自分の時間やスペースを取ろうとするので、相手からは冷たく見えたり、1人で物事を進めてしまっているように見えることもあります。でもその背後には、「不安な気持ちや恐れ」が隠れていたりもします。
一方、人とのつながりを感じ、気持ちを受け止めてもらえることで安心感を得られる「チーム型」はストレス下で、周囲の人に怒ったり泣いたり感情をぶつけてしまいがちです。しかしその裏には「不安を理解し、受け止めてほしい」というニーズが隠れていることも多くあります。
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このような「自立型」と「チーム型」の組み合わせによって、ストレス下で起こりやすい衝突パターンも異なってきます。
例えば、「自立型」×「チーム型」の「ベターハーフカップル」は、「チーム型」が「自立型」を責めて追いかけ、「自立型」が逃げる衝突スタイルになりがち。
また「チーム型」×「チーム型」の「チームカップル」は、一方が感情的にぶつかると、他方も感情的にぶつかり、衝突がエスカレートする衝突スタイルがよく起こるようです。
さらに「自立型」×「自立型」の「自立カップル」は、一方が距離をとると、他方も距離を取り、心の平安を守るためにそれぞれの殻にこもるという衝突スタイルになりがちです。
こうした説明を聞きながら、参加者のみなさん、「わかるわかる」とうなずいていらっしゃいました。
さらに、カウンセラーのお二人から、それぞれのカップルタイプに向けた、コミュニケーションを悪化させない具体的なやりとりや工夫を、寸劇形式でわかりやすく伝えていただき、参加者からは「なるほど、そう言えば、ぶつからずに気持ちを伝えられるんだ!」という声も聞かれました。
強いストレスにさらされて不安になったとき、人は無意識に安心を感じるための対処行動をとるもの。それ自体は決して悪いものではありません。しかし、自分やパートナーの反応パターンを理解していないと、時に本当の気持ちが伝わらず、すれ違ってしまうことにもなります。事前に、ふたりがどのような衝突パターンをとりがちで、どんな対応策を取ればいいのか知っておけば、安心ですよね。
このあとは、参加者のみなさんそれぞれが最近会ったイライラ・衝突エピソードを思い出してカウンセラーのお二人からレクチャーいただいた「話し手のルール」「聴き手のルール」を意識しながら、相手に伝えあうというワークを行いました。
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会場がそれぞれのカップルや夫婦による会話であたたまったところで、小休止。カフェコーナーへ移動して参加者同士の交流を行いました。
「おたくはどうですか?」「うちは自立×自立なので...」など、共通言語を用いての会話がはずんでいたようです。
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"夫婦の愛情残高"を増やすワークと決意表明
夫婦が様々な難所を乗り越え、共に進んでいく上では、お互いへの愛情や尊敬、関心がエネルギー源となります。しかしこの愛情残高は、時々補給しないと減っていってしまいます。そこでワークショップの終わりで「夫婦の愛情残高を増やすワーク」を行いました。いつも一緒にいる相手だからこそ、パートナーに愛情や感謝の気持ちを直接伝えなくなっていきがちです。当日のワークでは、「相手が自分のやったことに気づいていたこと、そして感謝してくれていたことがわかって嬉しい」と、涙ぐんでいる参加者もいらっしゃいました。
最後に、それぞれ今日のセミナーとワークショップを経ての決意表明をシールに書いていただいたボードの前で、全員での記念撮影を行いました。
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参加者のみなさまからは、
「お互いのタイプが違うんだ!と改めて気づけたし、衝突の仕方がまさに図星でびっくりした・・・」
「ビジネスのコミュニケーションは勉強する機会がありますが、プライベートでのコミュニケーションの方法を知れて良かったです。」
「コミュニケーションの共通言語をパートナーと一緒に獲得できたのはよかった。」
「最近、愛情残高が減りつつある為、少しでも増やせる様努力していきたいと思った。」
「より夫に対して尊敬の念を覚えました。」
「主人が好きだと思ってくれてる理由をちゃんと言葉にしてくれて嬉しかったし参考になった。」
という感想をいただきました。
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夫婦カウンセリングでは、「相手がこうだからうまくいかない」といった発言が、「これは、私たち2人の問題なのですね、2人で一緒に解決していきます」といった発言へと変わると、2人の関係が大きく変化するとも言われています。
夫婦の問題は、2人の問題。「2人で2人のことを一緒に」という視点にお互いが変わったとき、人生の難所も一緒に乗り越える同士として、何度でもスタートを切れるのかもしれません。
リクルートブライダル総研、iction!では今後も働く夫婦やカップルのみなさまのお役に立てる情報を発信していく予定です。ぜひ、それぞれのホームページやSNSをチェックしてみてくださいね。