人手不足が叫ばれるようになって久しい。「人手不足倒産」なるものも発生しているとされ、事業承継、技術継承を含めた経営上の大きな問題となっている。他方、地域によって状況には大きな違いがあるとされる。例えば、首都圏では底堅いインバウンド需要を受けて、観光産業の時給単価が過去最高水準で上昇しており(例としてホテルフロント職1162円、前年同月比+4.3% (※1))、他方東海エリアでは、好調な製造業の企業業績を背景として全業種から製造業に人材が集まっているという声が聞かれ、結果として地域の人材供給を吸収し高い有効求人倍率となっている(例として、岐阜県は2.01倍、愛知県は1.93倍。ともに全国平均の1.63倍より著しく高い)。今回はこうした人手不足における地域間の相違について、特に地方部における人材確保難の質的な特徴について最新のデータを元に明らかにしたい。