職人の仕事を分析したら、「時間軸」の常識がなくなった。 ベテランと若手の融合で技能伝承を進める塗装工事会社の挑戦【GOOD ACTION】
2020年02月27日 転載元:GOOD ACTION(リクナビNEXT)
取り組みの概要
「10年で一人前になる」のが当たり前だった塗装職人の世界で、未経験の人が「3年間で技能習得できる」独自の育成プログラムを開発。職人の仕事を分析し、「パテ処理」「養生」といった比較的容易に習得できる仕事から徹底的に教えることで基本工程のプロを育て、その上で熟練の職人が専門性の高い技術を伝授していく体制とした。 KMユナイテッドに所属するベテラン職人のほか、社外からも業界トップクラスの講師を招いて若手を育成し、かつては男性の職場だった現場で女性職人が活躍している。 さらに、職人の技を動画撮影して配信するキャリア支援ツール「技ログ」を開発し、映像教材をいつでもどこでも活用できるようにした。外国人材に向けてベトナム語などにも翻訳し、実際に同グループ会社では外国人の職人も積極的に採用している。
取り組みの概への思い
ベテランはいつまでも活躍してほしいし、若手は決められた見習い年数に縛られずに早く成長してほしい。業界で常識となっていた「時間軸」を壊したいと強く思い、技能伝承のための環境を整えている。
受賞のポイント
1若手が早く成長でき、ベテランがずっと活躍できる組織を作った
2.効率的な育成法や業務切り分けは塗装業界以外にも汎用できる
3.女性や外国人など、属性に関わらず職人として活躍している
属人的な職人の世界で「技能を伝承していく」ために
若手がほとんどいない。新規求人を出してもほとんど応募がない。採用できたとしてもこのままでは技能の伝承者がいなくなってしまう――。そんな状況に追い込まれていた老舗塗装工事会社を変えたのは、婿養子として会社の跡を継いだ「異業種出身社長」だった。