異なる環境で培ったスキルを組みあわせれば、やがて自分だけの強みになる。本業とともに社会を考え道を拓く、掛け算キャリアの体現者に迫る
異動、転職、副業、趣味の活動、ボランティア...。望む望まざるに関わらず、現代は同じ環境、同じ仕事を続ける以外にも選択肢が豊富な時代だ。それは、一つの環境では得られないスキルや知識を習得できるチャンスでもある。一つの道を究める専門家だけでなく、誰もがスペシャリストになれる可能性が高まっている時代なのかもしれない。
こうした考えが人事制度に色濃く反映されている会社の一つが、ロート製薬株式会社だ。2016年に制定された「社外チャレンジワーク制度」によって、現在、約80名が副業を実践している。今回はこの制度を活用している方々を代表して、北海道浦幌町にある林業の会社に取締役として参画している佐藤功行さんに、これまで歩んできたキャリアを伺った。
会社の看板で営業していたと気づき、危機感を覚えた
ロート製薬の「社外チャレンジワーク制度」は、本業を大切にしながら、土日祝や就業後など自分自身の時間を使って社会に貢献したいという人に向けた制度。実質的には副業制度だが、その本質は副業を推奨するというより、「社内では得られない機会を通して社員が成長すること」や「社員の主体性を育むこと」にある。社員の有志プロジェクトから生まれた制度だ。