あっと驚くような会社の合併が増えてきている。ついこの間までライバルとして鎬を削っていた会社と一緒になったり、過去に在籍した会社の同僚や上司と再び働くことになったりするケースも珍しくない。今や辞め方、さらには辞めた会社とどう向き合うかが問われてきている。
そこで、NTTデータを皮切りに6つの会社を経て独立、元ZOZOのコミュニケーションデザイン室長、田端信太郎さんに、田端さん自身が考える転職時のマナーについて、若手から管理職まで役立つアドバイスを聞いた。
- 【マナー①】辞める会社の悪口を言って去ってはいけない
- 【マナー②】退職意向を伝えるタイミングは熟慮せよ
- 【マナー③】外部のパートナーとの顔つなぎを忘れずに
- 【マナー④】前職の会社からの引き抜きは、注意が必要
- 【マナー⑤】後任と合わない部下は、早めに異動させておく
【マナー①】辞める会社の悪口を言って去ってはいけない
どこでどんなふうにつながるかわからない。合併などによってまた一緒にかつての同僚や上司と働くこともありうる。転職が当たり前になった時代だからこそ、「会社の辞め方」マナーの重要性がますます高まっている、と田端さん。
「会社を辞めることは個人の決断です。だから、お詫びをしたり、謝ったりする必要はありません。ただ、辞める会社に残っている人たちに対して会社の悪口を言ったり、みんなもこんな会社なんて早く辞めたほうがいい、などと言ったりすることは、絶対にやってはいけないことですね」
これは会社の辞め方の最低限のマナー。しかし実際には、転職がうまくいって舞い上がってしまい、周囲をシラけさせるケースは少なくないという。