働く人の多様化にもかかわらず、固定的なキャリアの選択
働く人の多様化は、この10年で一気に進んだ。60代前半の就業率は今や約7割となり、60代後半の就業率も上昇を続けている。女性の就業率は急ピッチで上昇し、2019年にはフランスを追い抜き、女性の社会進出が最も進む国の一つとされるスウェーデンに近付きつつある。反対に、就業者のうち59歳以下の男性の割合は1990年の52%から2019年の43%まで低下している。
働くことに関わる価値観も変化している。育児や介護など、仕事と仕事以外の生活を両立しながら働く人が増えているだけでなく、若い世代を中心に仕事以外の生活を重視する傾向が強まっている 。新型コロナウイルス感染症の流行による勤め先の休業や営業縮小などの影響はあっても、長い目で見て働く人の属性や意識の多様化はこれからも進んでいくだろう。