新型コロナウイルスは私たちの働き方にも大きな影響を与えた。失業や休業を余儀なくされた人々が増えた一方で、テレワークが加速度的に普及して在宅ワークを行う人々も増加した。こうしたなかで注目されている働き方の一つが、本業とは別の仕事を行う副業・兼業だ。
副業・兼業については、2017年3月に政府が取りまとめた「働き方改革実行計画」において、「労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業の普及促進を図る」とされた。
では、副業・兼業を行っている人はどの程度いるのだろうか。リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2020」を用いてみてみよう。表1によると、2019年に雇用者のうち副業を行っている者の割合は12.7%であり、正規の職員・従業員では10.4%、非正規の職員・従業員では16.1%となっている。また、副業をしなかったが今後したいと考える割合は、雇用者全体では35.7%で、正規の職員・従業員では37.2%、非正規の職員・従業員では33.3%となっている。実際に副業を行っているのは非正規の職員・従業員が多いが、副業を希望しているのは正規の職員・従業員に多い。いずれにしても、半数近い雇用者が副業に興味をもっていることがうかがえる。