人は仕事に何を求めるか。前回行った分析で累計された6つの価値観をもとに、定年前後の仕事に対する価値観の変化を追う。
仕事に対して多くの価値を置く20代
年齢を経るごとに、その価値観がどのように変わっていくのか。各因子得点の推移を年齢別に表した(図表1)。
これをみると、20代は仕事に多くの価値を見出す年代だということがわかる。20代の因子得点が最も高いのは「高い収入や栄誉」となっている。こうした目標を持つことが、仕事に関する能力を拡張させるモチベーションになり、職場によい競争を生み出し、組織のパフォーマンスも高まっていく。そうした意味で、若手が「高い収入や栄誉」に価値を感じて競争をすることには大きな意味がある。
さらに、「仕事からの体験」や「能力の発揮・向上」も得点が高い。新しい仕事に楽しさを見出し、仕事能力の向上を実感することができる年代が20代なのである。