子どもの不登校をきっかけに心理カウンセリングと出合い、学びを深めてきた白根貴子さん(58)。同じように葛藤や悩みを抱える人に寄り添いたいと、いま、カウンセラーとしての独立開業をめざす。(カウンセラーネーム白根月子)
次男の登校拒否で罪悪感に苦しみ……
10年前、中学生だった次男が「明日から学校に行かない」と言い出したとき、白根さんを苦しめたのは罪悪感だった。リーマンショックの余波を受け、夫の勤務先が経営悪化。当時は家計を支えるため、白根さんも夫も、フルタイムの本業と夕方からの副業というダブルワークで息つく暇もないほど多忙な日々を送っていたのだという。
「お金のこともそうですが精神的にもまったく余裕がありませんでした。子どものことにも気持ちが行き届いていなかった。そんな状況でしたから、“不登校”という現実を突きつけられ、すべての責任が自分にあるように感じてしまったのです」と振り返る。
わらにもすがる思いで白根さんが頼ったのがネットの情報。仕事の休憩時間も帰宅後も、スマホやパソコンで「不登校」「ひきこもり」「不登校の親」などのワードを検索し続けたという。