多くのシニアは定年退職や再雇用・継続雇用を経て長期間にわたり勤務した組織を去るが、その後も場所を変えて働き続ける人が増えている。 本研究における定量的な結果は「シニアの就労実態調査」で明らかになっているが、さらにその実相を定性的に捉えるためにインタビュー調査を実施している。
本シリーズでは、その分析結果をもとに、“終身雇用”を終えたシニアの職業選択、働き方、およびその背景にある意識について明らかにする。まず第1回目は、調査における問題意識とその概要を説明する。
「3ステージの人生」のその後
総務省統計局の労働力調査(※1)によれば、就業者数に占める雇用者数の割合(2020年平均)は約9割となっており、今もなお日本における就業形態の主流は「雇用」である。そして「シニアの就労実態調査」では、“終身雇用”後も働き続けるシニアの姿が浮かび上がった。