広辞苑によれば、天職とは「その人の天性に最も合った職業」とのこと。そうはいっても、自分にとっての天職を考え始めると、何が正解なのかが見えなくてモヤモヤします。
日本のeスポーツを黎明期からけん引し、最前線で活躍しているプロゲーマー・板橋ザンギエフ選手は、天職をどう捉えているのでしょう?
- アスリートであり、仕事人でもある
- 好きなことを仕事に。プロゲーマーは私の天職
- モチベーションを管理して“好き”を維持
- “幸せ”に重きを置いて天職を考える
- 満足度を上げることを先に考えて
アスリートであり、仕事人でもある
はじめに、まだ「eスポーツ」や「プロゲーマー」という言葉に馴染みのない方も多いかと思いますので、簡単に紹介しましょう。
eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)の省略形で、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技と捉えてこう呼ばれるようになりました。eスポーツには、Street Fighter V(※1)に代表される格闘ゲーム以外にも、FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)と呼ばれるものや、スポーツをゲーム化したものなど、さまざまなジャンルがあります。
(※1 カプコンの対戦型格闘ゲーム)
私がStreet Fighter Vを始めたのは5年前。このゲームが、eスポーツの認知度アップに貢献しました。当時、世界規模で行われる大会が注目を集め、スポンサーが増え、賞金額も格段にアップし、ゲームを観戦する人やゲームに興味を持つ人が大幅に増えるなど、かつてない経済効果をもたらしたんです。
現在、私が所属しているDetonatioN Gamingのようなプロeスポーツチームの発足も相次ぎ、eスポーツは一気に盛り上がっていきました。
プロゲーマーの定義は人によってまちまちですが、私は「長いスパンで競技者として食べていける人」と認識しています。