どの程度の賃金を得ているのか
ノンデスクワークがなぜ多くの人たちにとって魅力的ではないのかを考える際、賃金の問題には触れざるを得ない。警備員やドライバー、建設作業者の人たちはどの程度の賃金を得ているのだろうか。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から一般労働者(全従業員から短時間で働く従業員を除いた人のことを指す)の残業代を除く平均年収をとってみると、ノンデスクワーカーの賃金は全職種の平均より明確に低いことがうかがい知れる(図表1)。
警備員の平均年収は311万円と全職種平均の460万円よりも3割強低い。運輸部門を見ても、大型貨物自動車運転者(トラックドライバー)は368万円、タクシー運転者は265万円などと同様にかなり低い額である。建設躯体工事従事者(387万円)、土木従事者(367万円)はこれらの職種の中では比較的高い給与を得ているが、それでも職種平均には遠く及ばない。ノンデスクワークには、多くの求職者を遠ざける要因としてこうした実態があるということだ。