インターネットの道を歩んできた一人の会社員が、サッカークラブの新社長に。FC東京 川岸滋也社長の歩みから、変化の激しい時代におけるキャリアの築き方を学ぶ
あの出来事がなければ、いまの自分はなかっただろう──。
人生に大きな影響を与えた「偶然」は、きっと誰にだってあるはずだ。この偶然が、ビジネスパーソンのキャリア形成に大きく関わっていると論じるのが、心理学者のジョン・D・クランボルツ教授が発表した「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」である。
「予期せぬ出来事がキャリアを左右する」「偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる」「何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える」という3つの骨子から成り立つこの理論は、目まぐるしく世界の状況が変化するいまの時代、道標のひとつになるのではないだろうか。
今回話を聞いたのは、2022年2月にプロサッカークラブ「FC東京」の新社長に就任した川岸滋也さん。川岸さんは、NTTドコモ、ミクシィ、リクルートと渡り歩いた後、再びミクシィへ戻ってグループ傘下のスポーツ事業を牽引する立場にある。
一直線にキャリアを進むのではなく、ときにUターンもしているように見える川岸さんは、どんなキャリア観をお持ちなのだろうか。Jリーグ2022シーズン開幕直前の2月14日に、話を聞いた。