1990年代後半以降に生まれた「Z世代」が、新入社員として「VUCA」の仕事・職場環境で働く時代になった。Z世代とVUCA。世代と環境の両方の変化を受けて、企業の新人・若手育成は「育てたい力」「育て方」「ニューノーマル対応」の3つのアップデートを求められている。本コラムでは、3つのアップデートについて具体的に説明しながら、今の時代の新人・若手の生かし方・育て方を紹介する。
Z世代の変化に見る新しい価値観
まず、Z世代を知るところから始めよう。図表1は、「理想の職場・上司像」に関する2011年と2021年のアンケートを比較したものだ。この10年間で明らかな変化があったことが分かる。上司世代にとっては理想的だったと思われる要素(1つの目標の共有・鍛え合い・活気・厳しい指導・引っ張るリーダーシップ・情熱)の選択率が下がり、代わりに「個性の尊重・助け合い・一人ひとりへの丁寧な指導・ほめること・傾聴」を職場や上司に求める若者が増えているのだ。