「自分もリスキリングせねばと思うけど、何を学べばいいか分からない」 2020年度、2021年度にリクルートワークス研究所のリスキリングのプロジェクトに関わっていたことから、筆者のところにそうした声がちらほら寄せられることがある。
「リスキリングが必要だ」との声が大きくなる一方、働く個人から見れば「何をどう学べば、自分のキャリアに役立つか」の情報はとても少ない。そのため学ぶ希望はあっても二の足を踏んだり、とりあえず始めてみたものの挫折してしまったり、そんなリスキリングの迷子が増えているのではないだろうか。
リスキリングという言葉は、日本では2021年頃から多くのメディアで取り上げられるようになったのに対し、海外では2018年頃よりその必要性が訴えられ、Googleなどでの検索ヒット件数も増えてきた。海外の取り組みが全てバラ色とは思わないが、試行錯誤が重ねられてきた結果としての「今」から学べる点はあるだろう。以下では、海外のリスキリングの議論や状況から、日本でどのように個人のリスキリングを後押しすべきかを考えたい。