多様な働き方

国際競争力1位のデンマーク 官僚も企業幹部も帰宅時間は午後4時台【Global View From Nordic第1回】

共働き家事・育児ワーク・ライフ・バランス

2023年08月01日 転載元:リクルート ワークス研究所

国際競争力1位のデンマーク 官僚も企業幹部も帰宅時間は午後4時台【Global View From Nordic第1回】

海外出張が多い人でも、北欧を訪れたことがある人は少ないかもしれない。世界経済の中心でもないし、ニュースになる出来事もさほど起きない。私は日本の新聞社に20年ほど勤めていたが、米国や欧州の主要都市に行ったことはあっても、北欧にはまったく縁がなかった――デンマーク人と結婚するまでは。

デンマークを訪れた日本人に印象を尋ねると、「建物が低い」「自転車とベビーカーが多い」「人が落ち着いている」といった答えが多い。人口600万人に満たない小さな国で、銀座も新宿も渋谷も秋葉原もある東京と比べれば、首都コペンハーゲンの街は「……これだけ?」と思ってしまうような規模感とバラエティのなさである。

そんな、一見刺激の少ない場所なのだが、妊娠を機に移住して7年が過ぎた今、私はますます、この北欧社会の人間らしい働き方、生き方を可能にする社会経済の仕組みに、今の日本への示唆を感じるようになっている。それが凝縮された形で現れているのが、午後4時台(金曜日だと午後3時台)がラッシュアワーという短時間労働にもかかわらず、経済競争力を保っていることだろう。

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