非IT職のデジタルリスキリングの実態と学びを促進する支援とは 【非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査】
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みは、IT企業以外においても年々増加しており、その実現手段として、企業における従業員のリスキリングの重要性も、ますます高まっている。DXは企業の価値創造の全プロセスにかかわるため、特定の高度専門人材やデジタル・IT職人材を育成・獲得するだけでなく、全従業員が、それぞれに必要なデジタルリテラシーを新たに身につけていくことが重要な課題であるとされている。そのため、非IT職に対しても、デジタル・IT知識に関するリスキリング(以降デジタルリスキリング)を推進する企業が少なくない。
しかし、非IT職には、デジタル・IT分野のスキルを獲得することや、それを使って働くことを志向してこなかった人も多く、自社にとっての必要性を理解したとしても、主体的に学習に取り組み学習効果をあげていく人を増やすのは簡単ではない。実際に、企業側の積極的な働きかけにもかかわらず、思ったように取り組みが進まないという声が、人事担当者からしばしば聞かれる。
そこで、今回、非IT職のデジタルリスキリング推進のヒントを得るべく、DXに関する取り組みを行っている企業で働く非IT職で、最近デジタルリスキリングの経験がある人に調査を実施した。取り組みのきっかけはどのようなものか、どのような内容を学んだか、どのような学習機会を活用したか、企業や上司の働きかけはどうだったか、などを尋ねた。分析では、業種や職種ごとの学習状況がどのように異なるか、何が学習効果を促進するか、を明らかにしている。