ヴィジュアル系バンドの熱心な女性ファンを指す“バンギャ”。歴10年以上という山中雛さん(26)は、「うーん、10人に1人、知っているかどうかの言葉だと思います」と苦笑いする。そんな山中さんは、今派遣スタッフとして働いている。「わたしにはあっているみたいです」と話す理由や挑戦してみたいことなどを聞いた。
アルバイトを掛け持ちし、ライブ200本に参戦
「家でテレビを観ていたら、今では誰もが知っているヴィジュアル系のエアーバンドが出ていて、『何、これ!?』ってびっくりしたのがきっかけです。瞬間、ビビッと電撃が走ったんですよ」
はじめはバラエティ番組でメンバーが水をかぶったり大食いをしたりしている姿を面白がって見ていたが、ふと気になって演奏動画をチェックしたところ、メロディも歌詞も頭から離れなくなった。「まんまとはまってしまいました」
高校時代は初恋のようにそのバンドを追いかけていたが、調べるうちに他にもお気に入りが増え、さらに世界が広がった。大学時代は通算200本のライブに参戦。北は北海道から南は沖縄まで津々浦々、好きなときに好きな場所に遠征していたという。
ライブのチケット代や交通費、サイン会の特典付きCD代などをねん出するため、飲食店などのアルバイトを掛け持ち。「そこまでしてもライブに行きたかった。とにかくバンギャ活動が生活の中心。すべてを捧げていました」