多様な働き方

独立起業にはどんなメリットがあるのか~日本の働き方を考える2022~

2024年01月23日 転載元:リクルート ワークス研究所

独立起業にはどんなメリットがあるのか~日本の働き方を考える2022~

「サラリーマンは不満との闘い、自営業者は不安との闘い」とは昔からよく言われる言葉だ。しかしながら現代日本において、将来に不安はないと言い切れるサラリーマンがどれほどいるだろうか? サラリーマンも不安なこの時代、サラリーマンは不満だけでなく、不安とも闘わねばならないのだ。そうであれば、独立起業することが、相対的に有利な選択肢となるケースが増加してきている可能性もあろう。実際、筆者がリクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いて行った分析から、独立起業は多くのメリットをもたらす可能性が示された。

金銭的メリットについて

金銭的にみれば、普通の人は起業しないほうがよいと言われることが一般的だ。取らなければならないリスクに比べて、得られる役員報酬額が少なすぎるという研究結果は多い(Hall and Woodward,2010)。

しかしながら、経営について詳しい方は疑問に思われるかもしれない。会社に残ったキャッシュをどう考えるのか?ということである。自身で会社を経営している人は、自身に報酬としてキャッシュを出さずに(家計にキャッシュを切り出さずに)、企業内部に純資産として留め置いている人が多い。こうしたストックとして企業に蓄えられた富の増加分は、本来ならばフローとして、経営者の「実質的な所得」(真の生産性)としてカウントされるべきだろう。

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