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新人・若手の早期離職問題といかに向き合うか【2023年 新人・若手の早期離職に関する実態調査】第2回

調査レポートキャリア

2024年04月16日 転載元:リクルートマネジメントソリューションズ

新人・若手の早期離職問題といかに向き合うか【2023年 新人・若手の早期離職に関する実態調査】第2回

第1回を通して、早期離職問題は、特定の条件を整えれば改善するような問題ではなく、社会の大きな変化や、そのなかで醸成された個人の仕事観や人生観と密接に関係してくる問題だということが見えてきました。第2回は、新人・若手の早期離職問題との向き合い方を考えていきます。


早期離職といかに向き合うか

まず、現状を捉えるために、本人・企業・労働市場が置かれている環境を整理していきます。

■ 本人(新人・若手)について

新人・若手本人の仕事観を見ていくと、「この会社に入りたい」という就社の価値観より、「この仕事がしたい」という就きたい職のために入社する価値観の方が強くなりました。この傾向は、2023年の新入社員意識調査でも傾向として出てきています。例えば、本調査で、「新入社員時代に身につけるべきこと」のなかで、「特に重要だと考えるもの」について聞いたところ、「会社の理念や価値観に沿った行動」という就社を意識した項目の選択率は1%を切る結果となりました。

■ 企業について

企業の状況を見ていくと、年功序列・終身雇用は崩れ、同じ会社にいるメリットが減りました。以前は、長期にわたり雇用が保障されるだけではなく、長年同じ会社で働けば賃金が上がる傾向にあり、「就職できたら安泰」という感覚を持つ人も多かったかもしれません。しかし、現在はそうはいかないため、会社の基盤に頼るというよりも自分の力で、将来の雇用や賃金を維持していくという考え方を持つ人が増えたと想定できます。

■ 労働市場について

労働市場を見ると、就職先の選択肢の増加と売り手市場の傾向が顕著です。選択肢の増加としては、さまざまな特徴を持つ企業の出現や、外資系企業の参入も盛んになったことが挙げられます。また、NPOやフリーランスなど労働形態自体も多様性が増しているといえるでしょう。加えて、少子化により売り手市場が続き、労働者が就職先を選びやすくもなっています。選択肢のバリエーションが増加しただけではなく、かつてよりも競争率が下がり、希望した場所に入りやすい状況下で、1つの企業に所属し続けるという前提はなくなりつつあるのです。

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