言葉の意味から考えるDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)推進
DEIは、ダイバーシティ(Diversity)、エクイティ(Equity)、インクルージョン(Inclusion)の頭文字を取ったものであることは、ご存じの方も多いかもしれません。しかし、DEIとは何かについて説明することは意外と難しいのではないでしょうか。特にエクイティが意味するものを説明することは難しい方が多いようです。
- ダイバーシティとインクルージョン
- DからD&I、DEIへ
- 実務で使いやすいエクイティの考え方
ダイバーシティとインクルージョン
ダイバーシティとは「多様性」のことであり、Robersonら(2017)は、「集団内メンバーの特徴におけるさまざまな構成上の違い」と定義しています※1。「構成上の」という言葉には、性別や人種などの属性もあれば、個人の内面に関することもあります。インクルージョンについてShoreら(2011)は、「従業員が所属の欲求とユニークネス欲求の両方を満たすことのできる経験を通して、自身が職場で尊重されるメンバーであると知覚できる程度」と定義しています※2。日本語で「包摂」と訳されることもありますが、インクルージョンとそのまま使われることの方が多いかもしれません。
このほかにもさまざまな定義がありますが、実務上でしっくりくるのは、ダイバーシティとは「多様な人がいること」、インクルージョンとは「(それらの)人を生かすこと」というシンプルな分類かもしれません。