多様な働き方

管理職の業務負荷と働き方改革1

職場マネジメント

2024年09月17日 転載元:リクルートマネジメントソリューションズ

管理職の業務負荷と働き方改革1

今、管理職の業務負荷が高いという話をしばしば見聞きします。管理職の大変な状況や管理職になりたい人が多くない状況を称して「管理職は罰ゲーム」といった言葉も出ています。また、小社の調査でも、人事担当者および管理職層に「会社の組織課題」について尋ねたところ、「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」がそれぞれ第1位でした(人事担当者65.3%、管理職層64.7%)。注1 本稿では、管理職の業務負荷と働き方改革というテーマで、管理職はなぜ忙しいのか、管理職の働き方や業務の改革のポイントをご紹介します。1回目の今回は管理職がなぜ忙しいのかを取り上げます。


目次
  • なぜ管理職は忙しく負荷が高いのか?
  • キーワード1「管理職は会社側の人である」
  • キーワード2「マネジメントの難度が上がっている」

なぜ管理職は忙しく負荷が高いのか?

1950年代から行われていた管理職の行動についての調査研究において、カールソンの研究注2とスチュワートの研究注3では、「管理者は、多くの人々との接触で 時間を費やし、対面でのコミュニケーションを好み、自部署メンバーばかりではなく他部署の人や他社の人や経営の上層部との接触にも多くの時間を割き、活動は小刻みで断片的である」という管理職の実態が明らかになりました。以前から管理職は忙しかったことが見てとれます。そして、管理職の仕事が、主として社内外の関係者との間で発生することは、筆者がリクルートワークス研究所で行った「企業のムダ調査」においても明らかになり、今も同様の傾向があることが分かります注4。
こうした以前から続く傾向に加えて、昨今の管理職の負荷や忙しさのキーワードを多少強引に2つにまとめると、「管理職は会社側の人であること」「マネジメントの難度が上がっていること」でしょう。

注1 リクルートマネジメントソリューションズ「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2023年」
注2 Carlson, S. (1951) Executive behaviour: a study of the work load and the working methods of managing directors. Stockholm: Strömbergs.
注3 Stewart, R. (1967) Managers and their jobs. Macmillan.
注4 リクルートワークス研究所「企業のムダ調査」エグゼクティブサマリー

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