現在の仕事に取り組んでいるとき、配置転換やプロジェクトに抜擢されたとき、あるいは異動先転職先で、「この仕事、私のスキルでは無理かも…」と感じたことはありませんか?
求められている仕事と、自分の能力がマッチしていないスキルギャップはなぜ起きるのか、どうしたらスキルギャップを埋められるのかを、株式会社人材研究所代表で組織人事コンサルタントの曽和利光さんに聞きました。
- それって本当にスキルギャップですか?
- スキルギャップを感じる理由(1)スキルを発揮できるまでの過程にいるだけ
- スキルギャップを感じる理由(2)期待の表れをスキルギャップと感じてしまう
- スキルギャップを感じる理由(3)単に組織側の見誤り
- スキルギャップへの対処法とは
それって本当にスキルギャップですか?
「スキルギャップとは、一般的に、企業が従業員に求めるスキルと、従業員が実際に有しているスキルとの間に、溝がある状態のことを指します。ITやDXなどテクノロジーの進化が速まる中、求められるスキルと現実のギャップやズレを、お互いの成長を損なう問題として取り上げられることが増えているようです。 実際、現場ではどのような仕事と社員の能力のミスマッチが起きているのでしょうか。転職にしても配置転換にしても、採用する人や人事を判断する人、受け入れる組織があって、初めて成立します。
その人がこの仕事に向いている、つまりスキルにギャップはない、もしくはあったとしても埋められると考えて採用や配属が行われています。実は、自己効力感やセルフ・エフィカシー(自信)が低い状況にいるだけで、必ずしもスキルギャップではないケースが多いというのが、私の実感です。
では、なぜスキルギャップだと感じてしまうのでしょうか?大きく分けて3つの理由が考えられます。