多様な働き方

業務細分化×プチ勤務で13名採用。介護資格者が専門業務に集中できる職場へ

企業事例キャリア職場マネジメント

2024年11月28日 転載元:ジョブスリサーチセンター

業務細分化×プチ勤務で13名採用。介護資格者が専門業務に集中できる職場へ

高齢化が進む日本に欠かせない仕事でありながら、慢性的な人材不足にさらされる介護業界。介護サービス従事者は2030年に21万人、2040年には58万人が不足するともいわれています(※)。
京都府舞鶴市の大樹会も人材不足に直面していました。高齢者・障がい者・児童向けなど20施設を運営する地元ではよく知られた社会福祉法人ですが、介護スタッフを募集してもまったく応募が来なかったといいます。打開策を模索するなかで舞鶴市主催の採用セミナーに参加。それをきっかけに「業務の細分化」「プチ勤務」を取り入れた募集を始めたところ、アシスタント業務で20名以上の応募、13名の採用に成功しました。今回は同法人 養護老人ホーム安岡園園長・柴田氏に取り組みの経緯や工夫、得られた成果などを伺いました。※リクルートワークス研究所「未来予測2040」

● 社名/社会福祉法人大樹会
● 所在地/京都府舞鶴市字北浜町3-10
● 主な事業/入所・訪問介護・デイサービスなど介護関連事業
● 従業員数/267名(2019年10月時点)


当時の状況
■ フルタイムの介護資格者を募集しても応募が来ない。スタッフは減る一方

取り組んだこと
■ 介護業務を細かく分け「専門性が必要な業務」と「専門性がなくてもできる業務」に分類
■ 「専門性がなくてもできる業務」をアシスタント業務として募集。プチ勤務や詳細な業務説明で幅広い世代が応募できるように工夫

成果
■ 20名以上の応募、13名の採用成功
■ 時間のゆとりがうまれ、有資格者が専門業務や利用者とのコミュニケーション、自身のキャリアアップに向き合える職場を実現


新人を採用できず現場は疲弊、不安は膨らむばかり

大樹会ではベテランスタッフが高齢などを理由に退職するなか、ハローワークや就職フェアなどを利用し、定期的にフルタイムの介護スタッフを募集していました。柴田さんは当時の状況を振り返ります。

「3~4年前から応募が少しずつ減り、最近はまったく反応がありませんでした。ベテランが退職しても、新人を採用できない。現場は忙しくなるばかりで余裕がない。若手を中心にモチベーションの低下も深刻で、今後の不安が募るばかりでした」

柴田さんは何か手を打たなければ…と、舞鶴市が主催する採用セミナーに参加。そこで「業務の細分化」「プチ勤務」という考え方を知ったといいます。
「パートスタッフは以前からいましたが、資格の保持を優先しがちで介護業務を任せるのは難しい、そう思い込んでいました。セミナーをきっかけに専門性が必要な業務は何か、専門性がなくてもできる業務は本当にないのか、介護業務の細分化に取り組みました」

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