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アメリカでスタートアップを経営する26歳の起業家。人間の内面をハックして、個人の可能性を広げたい

キャリア

2025年02月13日 転載元:Recruit Corporate Blog

アメリカでスタートアップを経営する26歳の起業家。人間の内面をハックして、個人の可能性を広げたい

大学在学中に渡米し、卒業後にサンフランシスコで起業。現在はニューヨークを拠点に活動する起業家・湯川直旺さんの生き方から、その価値観や可能性を探る

自らの意思でキャリアを切り拓き、社会で活躍する現代の若者は、どのような出来事に影響を受け、どのような価値観を持っているのだろうか。今回登場するのは、アメリカのスタートアップ企業「DeMind Inc.」CEOの湯川直旺(ゆかわ・なお)さん。1998年生まれの26歳だ。

湯川さんは、東京大学工学部に在学中に深層学習モデルを用いて、「頭で思い浮かべている単語を脳波から解読する手法」を研究。その後、在学中からサンフランシスコに渡り、現地で起業。現在は、ウェアラブルデバイスから取得された生体データをもとにスケジュールを最適化するカレンダーアプリ「Lifestack」の開発・運営を手掛けており、ニューヨークに拠点を移して活動している。

コロナ禍での海外留学、アメリカでの起業と大胆な決断を次々としてきているが、その原動力はどこにあるのだろうか。これまでの道のりを振り返りながら、湯川さんの価値観に迫った。


感情やモチベーションなど、人間の“中身”を知りたくて

― 少年時代の湯川さんは、どんなことに興味がありましたか。

特段変わった趣味や活動をしていたわけではないんです。ただ、子どもの頃から海外ドラマが好きで、特にハマって観ていたのが『クリミナル・マインド』というドラマ。FBIのチームが犯罪心理学を使って捜査をしていくのが面白くて、人の“中身”に興味を持つようになりました。

― 湯川さんが言う“中身”とは、人の心や気持ちのことでしょうか。

そうですね、最初は心理学に興味がありましたし、学校での勉強も実は文系科目の方が得意。けれど、人の心の動きを漠然とした感覚で捉えるのではなく、客観的に解明したいと思うようになり、そのためには神経科学やデータ解析のためのプログラミングなど、理系の要素を学んだ方が良いことが見えてきました。だから、あえて「得意かどうかではなく、面白そうかどうか」という基準で工学部に進学。最終的にはAI研究にたどり着いたんです。

― 東京大学工学部に在学中は、日本のAI研究をリードする松尾豊教授の研究室(以下、松尾研)に所属されていました。どんな研究をしていたのでしょうか。

AIなどにも用いられる「深層学習モデル(ディープラーニング)」を使い、頭の中で思い浮かべる言葉を、脳波から解読する研究を行っていました。この研究テーマも、人の中身を理解したいという自分の興味の延長線にあったものです。

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