「もう妻に家事&育児で怒られるのは嫌だ!」夫100人に聞いた妻の要求レベルに応じる秘訣とは?
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2019年12月26日
なぜ、夫の家事は妻から怒られてばかりなのか?前回の記事では、「妻が夫の家事に怒りを覚える3つの理由」、「夫の家事のナイスプレーに共通する要素」そこから見える家事に向き合う姿勢としての対応策を、妻100人のアンケート回答をもとに考察しました。
妻が夫の家事に求める姿勢はわかった!だけど...「積極的に家事に参加したとしても、妻の求める家事レベルにたどり着かず、結局ダメ出しされてしまうのがつらい」そんな夫たちの声も聞こえてきます。
そんな悩みを抱える男性が何より知りたい「家事のスキルレベルで妻に怒られない夫はどうやっているの?」という疑問にお答えするため、今回は家事をする夫100人にアンケートを実施。
必ずしも全ての方に当てはまるわけではありませんが、同様の声が多く集まった回答内容に注目し傾向と対策を探ったところ、「妻に怒られやすい家事TOP3」や、「家事への要求レベルのギャップを埋めるための改善策」が見えてきました。
妻にダメ出しされたくない一心で、家事を避けてしまうようになる前に、解決策を参考にしてみては?
【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート調査
期間:2019年11月11日〜11月22日
対象: 20〜39歳の・共働き・配偶者と未就学児のいる男女(各100人) ※全国
- 1妻に怒られやすい家事TOP3は...「洗濯」「食器洗い」「掃除」
- 1-1怒られやすい家事1位:「洗濯」。洗い方や干し方、こだわりポイントの多さが痛い?
- 1-2怒られやすい家事2位:「食器洗い」。油汚れのヌルヌル残りがひんしゅくを買う!
- 1-2怒られやすい家事3位:「掃除」。夫婦間で「きれいになった」のジャッジ基準に差あり?
- 2すぐ使えるかも!妻の怒りを鎮めるポイントは「妻の言い分を肯定することから始める」
- 3「怒られてばかり」の原因と対策が分かったら、マインドとアクションを変えて、家事への要求レベルのギャップを埋めよう!
- 3-1ギャップを埋めるマインド改善案:妻が家事に求めるレベルを理解する
- 3-2ギャップを埋めるアクション改善案:家事行動は依頼があった瞬間に始める
- 4妻の怒りを誘発する「こなすだけの家事」から、信頼の"貯金"がたまる家事へ
妻に怒られやすい家事TOP3は...「洗濯」「食器洗い」「掃除」
家事に取り組む夫100人に回答してもらった「よかれと思って行った家事」と、それに対する妻からの「怒られエピソード」に目を通していくと、ある家事の怒られエピソードが突出して多いということがわかりました。
怒られやすい家事1位:「洗濯」。洗い方や干し方、こだわりポイントの多さが痛い?
- 「洗い物の収納や洗い方が妻と根本的に違い、口論になったことは多々ある」(20代男性)
- 「妻の負担を減らすために、朝は時間がないので洗濯物を夜のうちに行ったら、しっかり太陽光に当てて乾かしたかったようで、不満を言われた」(30代男性)
- 「洗濯の際にネットに入れないで洗濯をしたら、洋服が傷むと言われた。また、洗濯物を干す際に下着は見えないよう干してほしいと言われた」(30代男性)
怒られエピソードが圧倒的に多かった家事は「洗濯」にまつわるもの。その数はほかの家事を引き離し、回答者100人の過半数となる51人にものぼりました。特に、妻の洗濯こだわりポイントが多々寄せられ、洋服に対する思い入れや意識の違いなど、夫からは一見簡単に見える「洗濯」は、妻にとっては気を使うポイントの多いセンシティブな家事だというギャップの深さが伝わってきます。
怒られやすい家事2位:「食器洗い」。油汚れのヌルヌル残りがひんしゅくを買う!
- 妻が疲れて寝てしまっていたため、食器洗いをしたが、汚れが落ちきっていなかった。ちゃんとできないなら二度手間になるからやらなくてよいと言われ...。よかれと思ってやったのに、もやっとした」(20代男性)
- 「妻を休ませようと食後の洗い物をしていたが、あんたが洗うとヌルヌルしてまたやり直さないといけないから二度手間だ、と言われたことがある」(30代男性)
続いて多かったのが、25人が回答した「食器洗い」。きちんと汚れを落とせているか、乾いた食器や調理道具を正しい場所に戻せているか、食器用のスポンジと油汚れ用のスポンジと分けているのを知っているかなど、洗濯と同様に「洗うだけでは終わらない」家事だったと気付かされる男性たちの声が集まりました。
怒られやすい家事3位:「掃除」。夫婦間で「きれいになった」のジャッジ基準に差あり?
- 「掃除機のかけ方、テーブルの拭き方があまいと言われた。個人的な主観できれい、汚いを言われても、言われる側は改善のしようがない。具体的にどの状態を目指したらよいか、指示をして欲しい」(20代男性)
- 「お風呂掃除やトイレ掃除のとき、妻が喜ぶと思って細かく掃除をしたところ、非常に時間がかかってしまった。そのせいで時間がなくなり家族で出掛けることが出来なかった」(30代男性)
3位となった「掃除」には15人が回答。「きれい」「汚い」という美意識の基準をつかみかねて悩んだり、やる気を出したら徹底的にやり過ぎて外出し損ねたり...。
男性からの回答の一部を紹介しましたが、「ほぼ一言一句違わず同じことを言われた」という方もいるのでは?それもそのはず、アンケートの回答をみると家事の種類だけでなく「妻から言われた言葉」の内容も、重複するものが多かったのです。
妻の怒りはどの家庭でも避けられないのでしょうか...。その悩みを解決へと導く一筋の光明があります。今回のアンケートでは「このような行動で、妻の怒りが落ち着いた」という回答も用意。妻の怒りにうまく対処した事例を、参考にしていきましょう。
すぐ使えるかも!妻の怒りを鎮めるポイントは「妻の言い分を肯定することから始める」
妻の怒りが増幅するか、はたまた鎮静するかの分かれ道は、妻を怒らせてしまった後のあなたの行動次第。しかし、正しい選択肢を選べずに、火に油を注ぐ男性も後を絶ちません。今回のアンケートでは、多くの男性が知りたい「妻のイライラを鎮めた対応」の成功事例も調査。さまざまな言い方や方法のなかから、あらゆる場面に応用できそうなポイントを見いだしました。まずは、アンケート回答から紹介します。
- 「そっとしておく。すっとお茶を出して、ちょっと休もうかと言い、一息入れる。自分が悪かったと言い、どこが悪かったのか妻に確認する」(20代男性)
- 「何もわからなくてごめんねと言い、できるかぎり下手に出て謝った。グチをできるだけ吐きださせることで、スッキリしてもらえたのか最後は妻からも謝られた」(30代男性)
- 「妻に対してはまず話を聞くことを大事にしている。否定はせずに聞いた上で自分の意見を述べることで、頭ごなし感がなくなり理解を深めてくれると思う」(30代男性)
- 「わかった。きれいにたたむよ、雑にたたんだら服がしわくちゃになるからね。子どもの歯磨きもていねいにやるよ。歯は一生ものだから虫歯にならないように気を付けよう」(と言った)(30代男性)
会話をする際、男性はまず「自分の意図と妻の解釈が違うという解説」を優先してしまいがち。すると結果的に、妻の話をさえぎったり否定したりしてしまうのです。これが妻のイライラを引き起こす「導火線」。上記の回答に共通するのは「まず、妻の言い分を否定せず、肯定するところから話を始める」という点。
そして、このポイントを押さえられている回答は少数派でした。もし、今までの対処で失敗を繰り返しているならば「肯定から話を始める」メソッドを試してみる価値はありそうです。
「怒られる」原因と対策がわかったら、マインドとアクションを変えて、家事への要求レベルのギャップを埋めよう!
ギャップを埋めるマインド改善案:妻が家事に求めるレベルを理解する
単に洗うだけでは終わらない洗濯物と食器洗い、掃除してから発覚する「きれい」「汚い」という基準。前述の「妻に怒られやすい家事TOP3」から見えてきたのは、このような夫婦間の家事に対する認識のズレでした。たとえ家事の分担はできていても「相手が担当している家事は、どのレベルまでやればいいのか」という認識を共有できずに、互いに悩みを抱えるケースは少なくないようです。つまり家事で妻に不満を持たれる理由は、求められているレベルをクリアできていないということにほかなりません。
「結局どうすればいいの?」と疑問に思ったら。まずは妻が家事に求める水準やポイントを理解することから、マインドセットを始めましょう。
ギャップを埋めるアクション改善案:家事行動は依頼があった瞬間に始める
家事に求められているレベルについて、妻とのズレをカバーするためのアクションのヒントは、アンケートの「家事で妻に怒られないように気を付けていること」という回答から得られます。「テキパキとした行動」「率先して動く・手伝う」「すぐに行う」という行動に気を配る姿勢でした。
- 「わからないことが発生したらその度に確認する。何事もテキパキとした行動を心がける。無駄な動き、あたふたする動きをしない」(20代男性)
- 「嫁の具合が悪いときは自ら、家事を率先してやっている。ほかにも、育児を手伝ったほうがうれしいとよく言われるので、心掛けて取り組むようにしている。手伝ってと言われたときはすぐ手伝う」(20代男性)
- 「何か手伝えることはないかと常に気遣う。ないという回答のときに小さなことでも率先して何かをやると大変喜んでくれる。愚痴は聞いてあげるようにする」(30代男性)
- 「妻が外出しているときに、普段はしていない掃除、洗濯、皿洗いを終わらせておき、びっくりさせて楽をさせてあげる。口答えをせずに、すぐに行う」(30代男性)
妻の怒りを誘発する「こなすだけの家事」から、信頼の"貯金"がたまる家事へ
怒られる「家事」のTOP3、誰しもが避けられない「妻の怒り」の鎮め方、そして、自分の家事を変えたい!と思っている夫へのマインド面とアクション面の提案を、夫100人のアンケートなどをもとに紹介しました。が、問題の根底にあるのは、「家事」に求める質やタイミングの意識の違いではないでしょうか。この違いが生じる理由を一度立ち止まって、考えてみましょう。
家事は毎日毎日続くもの。次もスムーズに行うための準備や整理までが「家事」である、その積み重ねが日々の暮らしを円滑にしているという認識があれば、「中途半端」「〜しっぱなし」「〜だけ」という妻からのダメ出しも、筋が通っているとわかるはずです。
そして、ダメ出しが出るということは、「改善できる可能性がある」という無言の期待の裏返しです。妻の怒りに凹まず、懲りず、たじろがず、改善のチャンスだと捉えて、向き合うようにしてみるところから始めてはどうでしょうか。その関門を突破した先には...
- 「掃除、洗濯、育児、食器洗いなど進んでお手伝いすると、貯金のように信頼関係が増していくのではないかと思います。何事も夫婦は信頼関係の上に成り立っているかと思います」(20代男性)
このように、最初は妻の怒りを誘発していたあなたの家事が、いつしか、信頼の貯金へと変わっていくはずです。
育児は夫婦二人で手を携えて進めるプロジェクトという意識が一般的になりつつある、その一方で、家事に対する妻の負担が減らない現状があります。
その原因の1つでもある"家事の要求レベルのギャップ"を埋めるべく、夫のほうから「家事も夫婦二人で協力し合い、負担を受け持ちたい。だから、家事にそれぞれが求めるレベルを話し合いながら一緒にやっていこう」と働きかけ、家事・育児の困難を乗り切るパートナーへの第一歩を進めていきませんか?