十人十色の働き方をご紹介する『COLORS(カラーズ)』。
今回は... 前職はアパレルで仕事をしていましたが、車いすで働く環境が整っていなかったことから転職を決意。現在は広報の仕事をしながらアスリート支援制度を利用し、車いすテニス選手としても活動する菅野さんのストーリをご紹介します。
開き戸か、引き戸か。それだけで、働きやすさはまるで変わる。
元々は、洋服好き。アパレルで働くことに憧れて、前職では、全国にあるようなメジャーブランドで、接客の仕事に就いていました。
仕事自体は楽しめていたものの、車いすで働く環境が整っていなかったことは、非常に障壁となりました。勤務中に体調が悪くなった時どうしようもできないこと、トイレに行きたくても車いす用のものが整備されていないこと。小さな不便が積み重なって、働きつづけることが難しくなっていきました。
転職しようと職業訓練校で勉強をしている時期、見つけたのがリクルートオフィスサポートです。会社見学の際、自動スライド式の引き戸があったり、誰でも利用できる保健室があったりと障がいをもつ自分でも、無理なく働けそうだと感じ、入社を決めました。
さまざまな障がいをもつ人がいて、得意・不得意は普通のことだと気づけた。
リクルートオフィスサポートは、メンバーの9割近くが、心や身体のどこかに障がいをもつ人たちです。それぞれどんな障がいを抱えているのか、全てを把握するのは難しく、話しかけてみたら返事がなくて「あ、この人は聴覚に障がいがあるのか」と気づいたり、見た目はすごく元気な人が突然何日も休んで内部障がいのある人だと知ったり。
でも私たちにとっては、こういう状態がいたって普通なんです。それぞれに得意なことや不得意なこと、できることとできないこと、いろいろある。目の前の人に合わせてその都度、「そうなんだ、じゃあこうしてみようか」と言い合える環境が大切だと思います。
僕自身も、下肢障がいであることは見た目に分かりやすいですが、じつは上肢にも障がいがあります。荷物をもちながら車いすを動かしたり、手で扉を開けるのが難しかったり。そんな時は、誰かがサッと声をかけてくれたり、自分で「これもってくれる?」とお願いしたり。無理なく、自然に助け合っていますね。
テニスで体験したことを、広報の仕事にいかしたい。
僕はリクルートオフィスサポートで、アスリート支援制度を利用して、仕事をしながら車いすテニス選手としても活動しています。
アスリート支援制度とは、会社員としてのキャリアと、アスリートとしてのキャリアを両立できるよう、働き方を調整できる制度のこと。 社内で同じくパラアスリートとして活動する先輩の提言により、生まれた制度です。
現在の仕事は、パラスポーツに関する社内向けの広報がメイン。リクルートグループ所属のパラアスリートに関するチラシを制作したり、大会情報を広めたり。海外遠征に行くことも多いため、世界大会の様子や海外の情報を、記事に書くこともあります。自分で行ってみて、やってみて、選手と話してみて。僕自身が実感をもって発信できるものだからこそ、誰かの目に留まる熱量のこもった広報活動ができているのかもしれません。
※掲載記事内容は、2019年12月時点のものです。