深尾 奈々子
株式会社リクルート iction!事務局
「十人十色の働き方を、みんなでつくるプロジェクト」iction!事務局にて、ママのセミナーや、育児と仕事の両立を応援するコンテンツ・ツールの企画運営を担当。高校生の女の子を育てながら、会社員だけでなくアクセサリー作家として活動中。
毎日、家事と育児で手いっぱい!働きたい気持ちはあるけれど、家族との時間が減ってしまいそうで心配...。久々の社会復帰ができるのか不安...。グノシーのママユーザーに、「育児と仕事」についてアンケートを行ったところ、「家族との時間も大切にしたいし...」、そんな声が聞こえてきました。
そこでグノシー編集部が、皆さんの声を代表して「育児と仕事の両立」のエキスパートに直接、お悩み相談してきました!
深尾 奈々子
株式会社リクルート iction!事務局
「十人十色の働き方を、みんなでつくるプロジェクト」iction!事務局にて、ママのセミナーや、育児と仕事の両立を応援するコンテンツ・ツールの企画運営を担当。高校生の女の子を育てながら、会社員だけでなくアクセサリー作家として活動中。
天田有美さん
キャリアカウンセラー
4歳の女の子、1歳の男の子の二児の母。フリーランスのキャリアカウンセラー、チアダンスインストラクター、ライターと、活動は多岐にわたる。
編集部: お二人とも、お子さんを持つママでもいらっしゃいますよね。
今回のアンケートを見ると、ママたちの中には、「働きたい」という気持ちを持ってはいるものの、家庭も大切にしたいし、どうにも一歩を踏み出せないという方が結構いるようなのですが...。
天田有美さん: そうですね。働きたいと思う理由は、人それぞれだと思います。自分自身が輝きたい、子どもが成長して時間ができた、なかには経済的に仕方なく、と考えている方もいるかもしれません。
まず、キャリアカウンセラーとして多くの方々にお会いする中でいつもお伝えしているのが、ママが自分らしく働くということは、自分自身だけでなく、長期的に見て家族にとっても大きな意味がある、ということです。
そのうえで、夫婦二人で働くことで経済的な余裕も得られます。教育費について見てみると、小学校から大学まで、すべて公立に行ったとしても一人540万円、私立の場合は1700万円かかると言われています(※1)。「お金がないからあきらめて」と言うことなく、できるだけ子どもの夢を応援してあげたい、と考える方は多いでしょう。
ママが仕事をすることで、夫婦でもっと寄り添えるようになるかもしれません。
実は、この10年間、正社員の年収が減ってきている、というデータもあるんです (※2)。働いていれば給料が自然に上がる時代ではない今、一家を支えるプレッシャーはかなりのもの。二人で働くことで、そのプレッシャーを分担することができますよね。
さらにもし、パパが夢を追いたい、と起業や留学などを考えた時にも応援してあげられたり、万が一健康上の理由などでどちらかが働けなくなっても、二人で働いていれば収入が確保できます。
家庭に専念する、というのも素敵な選択ですが、働くことで家族にもポジティブな影響がある、ということもお伝えしているんです。
深尾奈々子さん: iction!主催のセミナーでもご紹介している「iction!みらい家計シミュレーション」という家計診断ツールは便利ですよ。現在の収入や家族の状況などを入力するだけで、将来の収支をイメージできます。また、家族のイベントに合わせて条件を変えて、働いてみると家計はどうなるか、何度でも働き方をシミュレーションすることができます。家計を把握するためのはじめの一歩として、多くの方に活用いただいています。
※1:出典:平成28年度 「子供の学習費調査」 文部科学省
※2:統計元:国税庁「民間給与実態統計調査」
深尾奈々子さん: 「働く」と一口に言っても、今はさまざまな働き方があります。リクルートでは、短い時間だけ働く、限られた日数だけ働くといった「時短JOB」という働き方もご紹介しています。
「子どもが学校にいる時間帯だけ働きたい」など、働く意欲はあるのに希望にあう仕事がみつからないと悩んでいる方にもマッチする仕事が増えています。漠然と考えているだけではなく、まずは何かしら行動を起こしてみることをお勧めします。ネットで仕事を検索してみたり、人材派遣会社などに登録してみたりすることで、働くことに対するいろいろな可能性が見えてくると思いますよ。
かく言う私も、「時短JOB」を実践している一人なんです。会社員として週3日勤務しながら、自分の好きなアクセサリー作家としての活動もしています。
天田有美さん: 今日身に着けていらっしゃるアクセサリーも、ご自身で作られたものなんですか?
深尾奈々子さん: そうなんです!家族との時間、時短での勤務、作家としての制作時間。今のバランスが自分に合っており、会社員としての仕事にも、作家としての仕事にも相乗効果を生み出していると思います。
子どもの成長や家庭の状況に合わせて、「働くこと」との付き合い方を柔軟に調整していければいいなと思っています。
編集部: なるほど。働き方の選択肢、いろいろ増えているんですね!まずは行動を起こしてみると可能性が広がる、ということもよくわかりました。
でも、家事や育児に加えて仕事も、となると、どうやって両立していったらよいのやら...。お二人は、どのような工夫をされているんですか?
天田有美さん: 私のコツは、「あきらめること」(笑)です!もともと几帳面な性格で、いわゆる完璧主義者でしたが、子どもとの生活に完璧はない!と潔くあきらめました。すべての洗濯物をきちんとたたんでアイロンをかけなくても、子ども自身がどこにあるかすぐにわかって、自分で探し出せる方がはるかに効率的です。
それからパパを上手に巻き込むことですね。子どもは二人の子どもで、家庭は家族みんなのもの。ママだけが頑張るのでも、パパだけが頑張るのでもなく、二人で一緒に頑張ろうね、と、子どもの誕生をきっかけに家事をいろいろシェアするようになりました。
例え自分のやり方と違ったとしても、そこは腹を立てたりせずに、感謝の気持ちを伝えあいながら工夫しています。
深尾奈々子さん: さすが!コミュニケーション力が高いですね。
天田有美さん: そうなんです、パパに家事をしてもらっても、ついつい「そうじゃない!」なんて言ってしまったら台無し。パパのやる気も萎えてしまいます。私個人としては、そういう意味でパパに過度な期待をするのはやめにして(笑)、多少散らかっていたとしても、子どもと一緒に遊んだり、笑っていられることを優先するようにしました。食事や衛生管理など、子どもの健康に気を使いすぎるあまり、神経質になりすぎてしまうママたちも多いと思います。それでママがキリキリしてしまうようなら、ある程度手抜きすることをお勧めします。完璧な家事より、こどもと一緒に時間を過ごすことの方がはるかに大切ですからね。
天田さんのご指摘通り、ママだけが頑張るのでも、パパだけが頑張るのでもなく、夫婦が協力しあっていくためには、夫婦のコミュニケーションが大切だと思います。
編集部: これは役に立ちそう!確かに、ママばかりが頑張ってもダメだし、パパだけにプレッシャーをかけ続けるのもバランスが取りづらいですよね。一番身近だからこそ、夫婦のコミュニケーションを密にすることで、ママの「働きたい」という気持ちを家族の幸せにつなげられるような気がします。
ありがとうございました!
いかがでしたか?グノシーユーザーの皆さん。 「働きたいけどなかなか踏み出せない...」と不安に思っていたママさんはぜひ、今日ご紹介いただいたツールをパパと一緒に、使ってみてください。
そして二人で、「働くこと」について、前向きに話し合っていただけたら幸いです!