ミドルシニア COLORS ~十人十色の働き方、みんなのカラフルストーリー~

楽しむことで、リーダーシップが芽生えてくる。

十人十色の働き方をご紹介する『COLORS(カラーズ)』。
今回は... 40歳の頃、就職情報誌の編集長を経験。その後、異動した部署では、これまでの経験や知識のいかしどころが分からず仕事に悩んでいたことも。 趣味がきっかけで仕事への向き合い方が変わり、現在は副業から始めた会社の取締役をしながら、今まで勤めていた会社からの仕事も受けているという、豊田さんのストーリーをご紹介します。

豊田 義博

ライフシフト・ジャパン株式会社 取締役/リクルートワークス研究所 特任研究員 豊田 義博
新卒入社したリクルートで就職情報誌の編集長などを勤めたのち、2017年から副業としてライフシフト・ジャパンの立ち上げに携わる。2019年、定年の1カ月前にリクルートを退職。現在はライフシフト・ジャパン株式会社の取締役とともに、業務委託の研究員としてリクルートワークス研究所でも活動。現在60歳。

サードプレイスの存在が自分を変えてくれた。

40歳の頃、就職活動に関する情報誌の編集長をしていました。部数も伸びていて、よい仕事ができている実感もあったのですが、とあるミスがあり、書店から回収、刷り直しをするトラブルを経験。挫折を味わいました。その後、リクルートワークス研究所へ異動。これまで培ってきた編集の経験や知識のいかしどころが分からず、手応えもなく、少し苦しかったことを覚えています。

そんな時に、大学時代まで続けていたジャズピアノのレッスンに通い始めました。仕事で悩んでいたことが、そうさせたのかもしれませんね。練習を始めてみると、ジャムセッションをやりたくなって。ビッグバンドに入り、そこにいたメンバーに声をかけ、バンドを組みライブをするように。楽しいことにのめりこみ、いつのまにか、周りを巻き込み、リーダーシップを発揮するようになっていました。すると、仕事への向き合い方も変わってきて。好きでもなかった仕事を、自分流にアレンジして楽しめるようになりました。

数年前、昔の上司から本を書かないか、と声をかけてもらいました。テーマは当時話題になっていた「ライフシフト」。これまでの経験がいかせると思い、快諾。ところが、打ち合わせに参加してみると、本の話ではなく、会社を設立する話になっていた。新規事業開発の経験をもたない自分は、はじめは様子見で参加。でも、なかなか議論が進まない中で発言するうちに、自分が意志をもって主張すべきだし、それを期待されているし、何よりこれまでの経験をいかすことができる、と思うように。ピアノと同じで、いつのまにか自分の中にリーダーシップの意識が芽生えてきたのです。

会社に縛られないから、仕事はもっと魅力的なものへ。

豊田 義博

最初の2年は、リクルートに勤めながら副業でライフシフト・ジャパンの事業に取り組んでいました。その後、定年直前でリクルートを退職。思えば、自分のキャリアに対して自らアクションを起こしたのは、この時が初めてだったかもしれません。

現在はライフシフト・ジャパンの取締役をしながら、リクルートの仕事も。いろんな場所でいろんな人と、いろんなことをして。一つの仕事に没頭している環境ではないけれど、不思議と、以前より仕事への意欲が増しているような気がしています。

つながりから、アイデアとやる気を生み出そう。

豊田 義博

いろんな場所で、いろんな人と、いろんなことをするのは、フリーランスでも、会社員でも、どんな働き方の人も、等しく大切なのだと思います。そこで得られる新しい経験やつながりが、その後の人生にいきてくるから。

目の前のことだけでなく新しい場所を探したり、思いもよらず与えられたものも楽しんでいく。個人がその意識をもつことはもちろん、企業や経営者が、ジャンルを超えた学習や社外とのつながりづくりをサポートしていくことも必要かもしれません。新しいつながりから生まれた学びが、個人の大きなやる気につながっていくことも期待できるし、ひいては会社、社会そのものの発展にも寄与してくれるのかもしれません。

※掲載記事内容は、2019年12月時点のものです。

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