両立支援 【笑顔のイクボスを目指す上司向け】 部下から妊娠報告を受けたら!?上司の心得

《産休・育休》どこまでが義務なの?意外と知らない休業の法律について【上司の心得06】

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部下の妊娠と仕事の両立・職場復帰をサポートする上で、上司が知っておきたい情報を、12回にわたってお伝えいたします。

妊娠・出産する女性社員が産休・育休で休むことは知っていても、産休・育休についての細かな法律や制度は意外と知らないもの。 どこまでが法律で定められた義務なのか、どこからが会社独自の支援制度なのか。今回は、産休・育休の法律についてお伝えします。

《産休・育休》どこまでが義務なの?意外と知らない休業の法律について 上司の心得06

産休期間は人によって長さが違う!?

笑顔のイクボスを目指す 上司の心得

まずは産休について、基本的なルールを確認してみましょう。産前は、女性が請求した場合、産前6週間は女性を就業させることができません。ただし、本人が希望するのなら、出産前日まで働くことも可能です。それから例外規則として、多胎(双子、三つ子など)の場合は、女性が請求できる産前休業期間が14週間に拡大します。

次に産後ですが、産後6週間は強制的な休業となります。この期間、企業は女性を働かせることが一切できません。産後7~8週目も基本的には休業期間ですが、本人が請求し、かかりつけ医が支障ないと認めた場合には働いてもかまいません。

つまり、産後6週間は強制休業で、産前6週間(多胎の場合は14週間)と産後7~8週目は、女性しだいで休業と就業を選べるということです。

また、出産が予定日よりも早くなれば、産前休業は短くなりますし、遅くなれば長くなります。いずれにしても、出産予定日の6週間前(多胎の場合は14週間前)から出産までが産前休業で、出産後の8週間が産後休業。つまり、産休は、実際に出産した日によって長さが変わってくるのです。

なお、産休期間とその後30日間の解雇は、法律で禁止されています。また、妊娠中・産後1年以内の解雇は、妊娠・出産・産前産後休業取得などを理由とした解雇でないことを会社が証明しない限り、無効となります。

それから、出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、加入中の健康保険から、給与のおよそ2/3が「出産手当金」として支給されます。また、健康保険から出産にかかる費用に一部充てることができるよう「出産育児一時金」が支給されます。詳しい支給要件などは、各健康保険組合にご確認ください。

参考リンク:
「Ⅱ 妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い」(厚生労働省)

法律だけでなく、会社の制度も大切!

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次に育休について。労働者が申し出ることにより、子どもが1歳に達するまでの間、育児休業を取得することができます。なお、保育所などに入所できなかったり、女性が病気などで配偶者の男性が育児をすることになったりした場合は、子どもが2歳になるまで育休を延長することが可能です。

さらに、「パパ・ママ育休プラス」という制度も。両親共に育児休業を取得する場合、いくつかの条件を満たせば、子どもが1歳2カ月になるまで、育休を取得できます。
一定の要件を満たせば、雇用保険から「育児休業給付金」も支給されます。産休だけでなく、育休にもさまざまな制度があるのです。

なお、育休後の話も付け加えると、生後満1年に達しない乳児を育てる女性は、1日2回、各々少なくとも30分の育児時間を請求することができます。また、子どもが3歳になるまでは、希望すれば 1日6時間の短時間勤務と所定外労働の免除が可能です。並行して、子どもが小学校に入るまでは、子ども1人につき1年で5日、病気になった子どもの看護、予防接種、健康診断のために休暇を取ることができます。さらに、未就学児を養育する一定の労働者から申し出があった場合には、1カ月24時間、1年150時間を超える時間外労働、また深夜業(午後10時から午前5時まで)の制限を受けられます。

ただ、ここで注意が必要なのは、法律はあくまでも最低限の期間ということ。
育休や短時間勤務などの期間を、もっと柔軟に設定している会社もけっこうあるのです。特に最近は、子育てや介護の両立支援が進んできており、さまざまな制度を用意する会社が増加しています。ですから、法律だけでなく、それぞれの会社の育休期間・短時間勤務制度などをよく知ることも大切です。

参考リンク:
厚生労働省委託 母性健康管理サイト「母性健康管理に対する企業の義務」


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