iction!が提供する「笑顔のイクボスを目指す上司の心得」
部下の妊娠と仕事の両立・職場復帰をサポートする上で、上司が知っておきたい情報を、12回にわたってお伝えいたします。
妊娠中の部下がスムーズに産休に入るためには、上司が本人と一緒に早めに引き継ぎ計画を立てることがポイント。どのようにすれば引き継ぎがうまくいくのか、どんな工夫をしたらいいのか、今回は引き継ぎを円滑に進めるコツをお伝えします。
突然の入院やお休みでも安心!妊娠中の部下に早めにリクエストすべき項目とは
妊娠中の部下を持つ上司がやっておくべきことは、早めの引き継ぎ準備です。いつ何が起きるか分からないのが妊娠。これが、通常の退職による引き継ぎとは違うところです。切迫流産や切迫早産と診断されると、そのまま入院なんてことも。そんなとき、上司が部下の業務内容を把握できていなければ、チームは、てんやわんやになってしまいます。本人の体調のよいときはしっかり任せつつ、早めに引き継ぎ内容やスケジュールについて話し合っておきましょう。
<妊娠中の部下にリクエストしておこう!>
- 担当業務のリスト、業務フローやマニュアルの作成
- 担当業務でやりとりしている関係者リストの作成
- 担当業務ごとのスケジュールと進捗状況の共有
- 担当業務の資料を、誰が見ても分かる場所に保管
- 関連資料や参照すべきファイルの整理保管
- 無駄な業務を精査して効率化
- 重要なメールは、上司や後任者に同報送信する
ほかのメンバーにしわ寄せがいかないためにも、早めに仕事の可視化や効率化に取り組めるとベスト。ただし、完璧を求めすぎるのはNGです。妊娠中の部下が無理をしすぎる可能性があります。
口頭は絶対ダメ!引き継ぎのポイントは「可視化」
引き継ぎがうまくいくポイントは、しっかりドキュメントに残すことです。口頭での引き継ぎはトラブルのもと。妊娠中の部下にはきちんと業務マニュアルの作成をリクエストしましょう。また、任せきりにせず、定期的に進捗の確認を。
<引き継ぎで困った!あるある事例>
- 安定期を目前に切迫早産で入院!病室からLINEで後任に引き継ぎ。
- フォーマット作成や引き継ぎ資料作成が間に合わず、産休中に打ち合わせに出てもらうことに...。
- 引き継ぎ中に後任者が会社に来なくなった!改めて後任者を探し、産休開始が予定より遅れた。
後任者がなかなか決められなかったり、急に変更になったりすることはさまざまな事情により起こり得ることです。誰が見ても分かるように業務を可視化することが重要なのです。
もし部下が引き継ぎ方法に悩んでいたら、引き継ぎ資料の工夫について上司からアドバイスしてみてはどうでしょうか。
<引き継ぎ資料の工夫例>
- 日次、月次、年次作業が分かるようにそれぞれ一覧化。
- 細かな引き継ぎ資料とは別に、「何を知りたいときにはどこを見るか、誰に聞くか」といった項目をシート1枚にまとめる。
- 担当業務をリスト化する際、後任者が業務負荷をイメージしやすいように、各業務の所要時間も明記する。
ちょっとした工夫で抜け漏れなく、妊娠中の部下が産休に入った後も困らないような引き継ぎができます。ただ、つくり込みすぎて本人の残業が増えてしまうのは本末転倒なので、効率よく引き継ぎができるようにサポートしましょう。
- 【笑顔のイクボスを目指す 上司の心得】
- 01-《妊娠報告》部下から突然の妊娠報告!そのとき、どんな言葉を返しますか?
- 02-《確認・相談》部下から妊娠報告を受けたとき、最初に確認・相談することは?
- 03-《つわり》妊娠中の女性の気持ちが理解できる!?つわり入門
- 04-《業務調整》上司として知っておきたい!つわりと業務調整
- 05-《社内規定・制度の確認》部下からの妊娠報告!職場の上司が知っておくべき働き方への対応とは?
- 06-《産休・育休》どこまでが義務なの?意外と知らない休業の法律について
- 07-《法律チェック》働く妊娠中の女性を支える法律をチェックしよう!
- 08-《早産・流産》妊娠中のリスクともしものときの部下への対応は?
- 09-《復職への期待の伝え方》妊娠中の部下とのコミュニケーションの秘訣は「共感」と「納得」!
- 10-《引き継ぎ》産休前の引き継ぎを円滑に進めるコツとは!?
- 11-《復職後の働き方》産休・育休に入る前に話し合おう!
- 12-《マタニティハラスメント問題》マタハラの実態・原因とは?上司や職場の解決策は!?