知っておきたいIT・デジタル用語解説

日々進化し続けるIT・デジタルの世界。新しいIT・デジタル用語も次々と生まれています。中には「聞いたことあるけど意味はよく分からない」「知っているようでも質問されると答えられない」といった言葉もあるのではないでしょうか?
ここでは、知っていると安心!基本的なIT・デジタル用語について、中高年のためのプログラミング教室『TECH GARDEN SCHOOL』に解説していただきます。


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IT・デジタル一般に関する用語

DX(ディー・エックス)

DXとはDigital Transformationとの略語です。企業や組織がビッグデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルにおけるイノベーションを起こすことを指します。
一般的には以下の三段階のプロセスを踏むと言われていますが、3つめのデジタルトランスフォーメーションが本来の意味でのDXと言えます。
デジタイゼーション:書類を紙から電子化することに代表されるデジタル化
デジタライゼーション:承認フローの電子化やRPAによる自動化などの業務プロセスのデジタル化
デジタルトランスフォーメーション:AIによるビッグデータ活用やIoT技術などによって従来の技術では不可能だった新たなビジネスモデルに転換すること

IT(アイ・ティー)

ITとはInformation Technology(情報技術)の略語で、コンピューターやソフトウェアを使って、コンテンツなどの情報を作成・取得・加工・保存などを行う技術のことです。またインターネットなどの通信技術を活用してコンテンツやデータなどの情報共有や送受信を行ったりします。

ICT(アイ・シー・ティー)

ICTとはInformation and Communication Technology(情報通信技術)の略語です。IT(情報技術)との違いは、「Communication(コミュニケーション)」のための通信技術(インターネット、電話、ビデオ通話、スマートフォンデバイスなど)についても強調している点です。 「IT+コミュニケーション技術」と考えると分かりやすいでしょう。

メタバース

インターネット上の仮想空間(主に3D)のことを指し、アバター(自分の分身)を使って経済活動を始めとするさまざまな活動を行うことができます。 その将来性を重視したFacebookはメタバース事業に注力するため2021年10月に社名を「Meta」に変更し、周囲に衝撃を与えました。

ブロックチェーン

ブロックチェーンはインターネット通信を使ったインフラであり、システムの管理者を置かず参加者同士が直接取引をする分散型技術であることが特長です。
取引の暗号化とブロック追加のための複雑な承認ロジックにより「高いセキュリティーと信頼性」を参加者全員に対して担保し同じデータを共有しています。 その信頼性に基づいて契約を自動で実行する仕組みを「スマートコントラクト」と呼びます。
ブロックチェーンはこれらの特長と機能により、金融取引のIT化(FinTech:Financial Technology)や仮想通貨、サプライチェーン管理などに使用されています。



プログラミング言語とソフトウェア開発に関する用語

コンピューターで処理を行うプログラムを作成する過程を「ソフトウェア開発」と呼び、 プログラムを書くために使用する言語を「プログラミング言語」と呼びます。プログラミング言語には、ソフトウェアの種類や用途(ウェブサイト制作、アプリ開発、電子機器などへの組み込みシステムなど)に合わせたさまざまな言語が存在します。

プログラミング言語

機械であるコンピューターは0と1しか認識できないことから、プログラムを実行する際には0と1による指示が実行されます。しかし、人間が0と1でプログラムを記述するのは非常に困難なため、人間が理解しやすい記述方法(言語)が作られました。この言語の総称をプログラミング言語と呼びます。コードの内容が少し英語や数式に似ているのもそのためです。
プログラミング言語で書かれたプログラムを機械に実行させる前には、0と1の記述に変換する必要があるのですが、その変換方法によってコンパイル型言語(実行させる前に全てのコードを変換する:C言語、Java, Swiftなど)とインタープリタ型言語(1行ずつ変換しながら実行する:PHP, Ruby, Python, JavaScriptなど)に大別されます。 コンパイル型のほうが処理速度が速い反面、機械に近い言語のため学習の難易度は高めとなります。

フレームワーク

ウェブサイト制作やアプリ開発などの際に、プログラミング上頻繁に使う機能や基本的な構造を提供してくれる仕組みのことをフレームワークと呼びます。 フレームワークを使用することにより開発効率が大幅に改善され一貫性を保ちやすいことから、チームでの開発も行いやすくなりました(非属人性)。フレームワークは現代の開発には欠かせない物となっており、各言語ごとにフレームワークが用意されています。(例 Ruby:Ruby on Rails, PHP:Laravel, Python:Django)

ライブラリ

プログラミングにおいて特定の分野でよく使う機能をまとめたものを指し、あらかじめコーディングされた機能をライブラリから呼び出して使用します。 例えばPythonにおけるデータ分析では、表形式のデータを扱うPandas、グラフ作成のMatplotlibや数値計算分野のNumpyなどのライブラリが有名です。

Python (パイソン)

Pythonはビッグデータのデータ分析・統計解析・機械学習などのデータサイエンス分野によく使われる言語です。 それらに必要なライブラリが豊富に用意されていることで、ソースコードを書く量が少なくて済むなど、効率的なプログラミングが可能です。またウェブアプリケーションの開発を始めとする幅広い用途にも対応できるため、キャリアに役立てようと習得を目指す人も増えています。 アプリ開発用のフレームワークとしてはDjangoが有名です。

PHP(ピー・エイチ・ピー)

PHPとは、PHP:Hypertext Preprocessorの略語です。元々はウェブページを作ることを目的として作られた言語で、動的なウェブサイトやスマホアプリなどのサーバーサイド・バックエンド開発(サーバー内のデータベースとデータのやり取りや処理を主に行うこと)を目的として使用されることが多く、WordPressのカスタマイズなど用途は多岐に渡ります。 主なフレームワークにLaravel, CakePHPがあります。

Ruby (ルビー)

フレームワークRuby on Rails が2010年前後のスタートアップにおけるサービス開発によく使用されたことで有名です。 PHP同様、動的なウェブサイトやスマホアプリなどのサーバーサイド・バックエンド開発(サーバー内のデータベースとデータのやり取りや処理を主に行うこと)を目的として使用されます。


JavaScript (ジャバ・スクリプト)

ウェブページに動きをつけるためにウェブブラウザ創生期の企業Netscapeが開発しました。 ほとんどの言語がサーバー上で動くのに対し、JavaScriptは「ウェブブラウザ上で動く」珍しいプログラミング言語です。そのため、ウェブサイトの99%がこの言語を使用していると言われています。
画像スライダー、マウスで触ると出てくるメニューなど、ウェブページに動きをつけるために用いられ、これらの機能をまとめたjQueryに代表されるライブラリはウェブページ制作の際に必須とも言われています。
サーバーサイド(データベースとのデータのやり取りや処理)のためのフレームワーク Node.jsの存在や、iPhone/Android両方に対応できるハイブリッドスマホアプリの開発用にも使用されることから、汎用性が最も高い言語のうちの一つです。 ウェブブラウザ上で動作することから環境設定(初心者が挫折しやすいポイントです)が不要で、ウェブページからアプリ開発まで幅広い用途を持つことから、初心者向けの学習用言語としても人気があります。学習難易度も高くないのでおすすめです。
エンジニアからも高い評価と人気を誇っていることを受け、派生した言語としてMicrosoftが開発したTypeScript, CoffeeScriptなどがあり、フレームワークとしてはReact, Vueなどがあります。
別の言語であるJavaとは全くの無関係なので注意しましょう。

SQL(エス・キュー・エル)

SQLとはStructured Query Language の略語で、データベースにおいてデータの参照・保存・更新・削除などを行うための言語です。
ECサイトの販売・顧客情報やウェブサイトのアクセス情報など、膨大で多様なデータを取得・整理してマーケティング活動に使うことも多いです。
データ分析においては、分析の入口となる「データベースからのデータの取得」の際に使うので、データ分析周りの求人においてBIツールとともにニーズの高いスキルの一つです。

R (アール)

統計解析にほぼ特化して開発された言語で、専門的かつ最新の統計手法をカバーするライブラリが豊富に用意されているのが特長です。 もし機械学習やディープラーニング、アプリ開発などを含めた多様な用途を想定している場合には、Pythonを使用するケースが一般的です。

Java (ジャバ)

大規模システム開発を中心に広く使われている言語です。ウェブアプリ、Androidアプリ開発などにも使用されます。 機械により近いコンパイル型言語であり、オブジェクト指向の理解も必要であることから、インタープリタ型言語であるPHPやRuby、Pythonに比べると初学者にとっての学習難易度は高めと言えます。
Java仮想マシンのインストールによって異なるOS上でも動作させることができるのが特長で、別の言語であるJavaScriptとは全くの無関係なので注意しましょう。

C言語

実行速度が速いため電子機器などのハードウェアの組み込みソフトウェア開発などによく用いられる反面、機械に近い言語であるため初心者にとっては習得の難易度は高いと言えます。

Swift (スウィフト)

Appleが従来のObjective-Cに代わり、iPhoneアプリを始めとするMacなどのApple製品のために開発した言語。 無料でiPadやMacを使って学べるSwift Playgroundという初学者でもゲーム感覚で学びやすい環境が用意されています。

Kotlin (コトリン)

GoogleがAndroidアプリ開発の公式言語として認定している言語で、従来のJavaに代わりAndroidアプリ開発の主流の言語となっています。

コーディング

コンピューターに実行させるプログラムはプログラミング言語によって記述され、その文章のことを「ソースコード」と呼びます。 そしてプログラミング言語によって「ソースコード」を書く行為のことを「コーディング」と言います。

Git管理 (ギットかんり)

アプリ開発やシステム開発などのコーディング履歴をチームや組織で管理できる仕組みのことを指します。 動作確認済みのコードをコード全体に組み込んだり、機能別の分業を管理でき、開発の途中で不具合が生じた場合には、過去のコードに巻き戻すこともできます。 このように組織での開発効率を飛躍的高めることができるため、現代のチーム開発には必須の管理手法と言えます。

エディター

エディターとはテキストエディターあるいはコードエディターの略語。プログラマーが使用するコーディングに特化したツールを指します。

VS Code (ブイ・エス・コード)

VS CodeはVisual Studio Codeの略で、Microsoft製の無料のオープンソースのコードエディターです。機能の拡張性が高く、Git管理(共同履歴管理)やAIとの親和性も高いためエンジニアに人気のエディターで、初めてプログラミングを学習する人にもおすすめです。

Cursor (カーソル)

MIT出身者が創設したAnysphere という組織がOpenAI社などからの出資を受け、AI(ChatGPT)の最大限の活用を目指して開発した次世代のコードエディターです。コードの生成やバグの検出の修正などにも強いのが特長。 またMicrosoft VS Codeをベースに開発されているので、Microsoft VS Codeユーザーが抵抗なく使用できることから人気があります。

ノーコード・ローコード開発

プログラミング言語を使ったコーディングを行わずにウェブサイトやスマホアプリ、ECサイトなどを開発することを指し、そのためのツールのことをノーコード・ローコードツールと呼びます。ノーコードツールでは直感的なドラッグアンドドロップなどの操作で開発を進めます。ローコードツールでは部分的に少量のコードを書く必要がありますが、そのコードも関数程度のことが多いです。 以下に代表的なツールを示します。
ウェブサイト:STUDIO, Wix, WordPress
ECサイト:Shopify, BASE, STORES
アプリ開発:Microsoft Power Apps, Google AppSheet, Cyboze kintone(キントーン)
これらのツールの内部的な仕組み自体は通常のプログラミング言語による開発と似た構造であることが多いため、ノーコード・ローコードツールを使う際にもプログラミングの原理原則やHTML/CSSの基礎知識の勉強はしておくことをおすすめします。



データとサーバーに関する用語

データとは数値、テキスト、画像、音声などを指し、通常データベース用のサーバーに保管されます。サーバーとはネットワーク上でデータを提供するコンピューターのことですが、データの保管庫・倉庫とイメージしておけばよいでしょう。

クラウド

インターネットを利用してデータを保管したり、サービスを提供する仕組み全般を指します。自分のPCにデータやソフトウェアをダウンロードする必要がないことが特長で、クラウドに設置されたサーバーのことを「クラウドサーバー」と呼びます。
一方それらを自分のPCやハードウェア上で扱うことを「クラウド」に対して「ローカル」と呼びます。 例えば自社のサーバー室などに物理的なサーバーを設置する「オンプレミスサーバー」はローカルサーバーと言えます。

クラウドコンピューティング AWS(エー・ダブリュー・エス)

AWS(Amazon Web Services)は元々AmazonがECサイトなどの自社サービス用に運用していたサーバーのシステムを2006年に公開したもので、現在クラウドサービスで圧倒的なシェアを占めています。
「コンピューティングサービス」「データベース」「ストレージ」の3つの領域から必要なものを自由に選択してカスタマイズすることができ、必要なときに必要なだけ、低価格でITリソースを使用できます。これらをクラウドコンピューティングと呼び、その利点は以下の通りです。
・ スペックと台数の柔軟な変更が可能
・ 自動化 (人の管理がほとんど不要なシステム)
・ セッティングするスピードの早さ
このようにAWSはサーバーなどのハードウェアをクラウド上で「仮想化」し、プログラムによる自動管理によってインフラを「物理的な管理」から解放することで、業界に大きなインパクトをもたらしました。

プロトコル

ITにおけるサーバーやPC間の通信のルール・規則・規格などを指します。例えば、ウェブページの暗号化通信としてのhttpsやファイル転送に使用するFTP、電子メールの送受信のためのSMTP/POP3 などがあります。



ウェブサイト制作に関する用語

ウェブサイト制作全体のプロセスのことを指します。ウェブサイトのコンセプトを実現するための見た目やレイアウトを設計し、その設計図(デザインカンプ)に従ってパーツ作成、画像選定をおこないコーディング(HTML/CSS/JavaScript)を行います。

HTML(エイチ・ティー・エム・エル)

HTMLとはHyper Text Markup Languageの略語です。 インターネット上のページからページに飛ぶことができる(Hyper Text:リンク)ようにするための言語で、マークアップ言語(テキスト・文章に見た目や構造を持たせるための言語)の一つです。 タグと呼ばれる要素でテキストを太字にする、赤字にする、リスト化する、見出しにするなどの指示をコンピューターに対して行います。

CSS(シー・エス・エス)

CSSとはCascading Style Sheetsの略語で、ウェブサイトのサイズや色、レイアウトなどを設定するための言語です。ウェブページの制作においてHTMLが主にテキスト構造を管理する一方で、CSSはページ全体のレイアウト設計やスマホ対応、背景や画像の設定、文字のフォントや色などの幅広いデザインを定義する際に使用されます。

JavaScript (ジャバ・スクリプト)

ウェブページに動きを作るためのプログラミング言語です。ボタンに触れると形や色が変わる機能や、スライドショー、ポップアップウィンドウなど、さまざまな機能の実装に用いられます。これらの機能をまとめたjQueryに代表されるライブラリはウェブページ制作の際に必須とも言われています。詳しくは前述を参照してください。

グラフィックデザイン

ウェブサイト制作におけるグラフィックデザインとは、主に画像編集、バナー作成、ボタンやイラストなどのパーツ作成、ロゴ作成のことを指し、Adobe Photoshop/illustratorを通常使用します。Adobe Photoshop/illustratorは元来プロのデザイナー用のツールのため習得の難易度も高くライセンス費用もかかリます。そのため初心者でも使いやすく無料で使用可能なCanvaというツールも人気です。

デザインカンプ

ウェブサイトを実際に制作する前に、デザインをクライアントやチームと共有・確認するためのプロトタイプページのことで、色や画像、寸法まで完成品同様に作られます。 Adobe XDはデザインカンプ作成に特化したツールです。Figmaというクラウドベースのツールは無料で共有性も高いため人気が高く、2022年にAdobeによる買収に合意していましたが、EUなどの規制当局の承認が得られず断念した経緯があります。

動画編集

近年ではウェブサイトのページに動画が組み込まれることも多いため、動画編集はウェブサイト制作やウェブデザインの1分野とも言えるような状況です。 動画編集ツールは無料から有料まで多種多様なものが存在していますが、プロが使用する代表的なツールとしてはAdobe Premier Pro(Windows/Mac対応)や Macユーザー用のApple Final Cut Proが有名です。

UI (ユー・アイ)

UIとはUser Interfaceの略語。人間(ユーザー)が操作のためにハードウェアやソフトウェアと接する境界(インターフェース)のことを言い、具体的にはスマホやPC、銀行のATMなどを人間(ユーザー)が操作するための画面上のボタンなどを指します。

UX(ユー・エックス)

UXとはUser Experienceの略語で、人間(ユーザー)がハードウェアやソフトウェアをUI(ユーザーインタフェース)を通じて操作した体験全般のことを指します。
一般的には、使い始めから終わりまで直感的に操作することができ、気持ち良くて楽しい体験の満足度が高いとされています。

ウェブアクセシビリティ

ウェブ上のサービスやページが高齢者や障がい者を含む全ての人にとって「アクセス可能かどうか」の度合いを指す言葉です。 それに対してウェブユーザビリティという言葉はウェブ上のサービスやページを「使いやすいかどうか」を意味します。

CMS(シー・エム・エス)

CMSとはContents Management Systemの略語。プログラミング知識がない人でも、ECサイト・ウェブサイトに記事や画像を投稿したり、ページ内容をノーコードで修正できるようにした仕組みのことを指し、ノーコードツールの1種とも言えます。代表的なCMSとしてはWordPressが挙げられます。WordPressは無料で使用できるオープンソースでありながら機能の拡張性、カスタマイズ性も高いため、世界中のECサイト・ウェブサイト制作に用いられています。



ウェブマーケティングに関する用語

インターネット上でのマーケティング・販売活動を指します。ECサイトやウェブサイトでのユーザーのアクセス・活動状況を評価するためのさまざまな指標が存在します。

CRM (シー・アール・エム)

CRMとはCustomer Relationship Managementの略語で、消費者をまだお金を払っていない潜在顧客の段階から、最終的には繰り返し高い費用を払ってくれる上得意顧客まで育成するプロセスを管理することを指します。
第1段階の営業ステージでは
「1)潜在顧客のリスト獲得 2)潜在顧客育成 3)見込み顧客」の順に顧客を教育していくことに重点を置き、安価なお試し商品・サービスを購入してもらうことをゴールにしています。
第2段階の関係性構築ステージでは
「4)新規顧客 5)リピート顧客 6)上得意顧客」の順に、定番の商品・サービスを新規に購入していただいた後にリピート・追加購入してもらい、最終的にはその商品・サービスの熱烈なファンとなり、紹介してくれるレベルにまでなってもらうことを目指します。
このように顧客の段階に応じて異なる施策を実施しながら、顧客を育成・管理していきます。

Googleアナリティクス

Google アナリティクスは、ウェブサイトのユーザーの属性(年齢、性別、関心など)や行動(訪問したページ、使用したデバイスなど)、アクション(購入やお申し込みなどのコンバージョン情報など)を分析し、ウェブマーケティング施策へと繋げることができる無料アクセス解析ツールです。

CX (シー・エックス)

CXとはCustomer Experienceの略語で、顧客が製品・サービスを提供する企業と接触する中での体験の総称です。使用体験だけでなく、顧客が製品・サービスを知る前の情報収集、広告、ウェブサイト、ECサイト、配送、包装、返品、お問い合わせ対応などの全ての体験が含まれ、これらを各ステップに分解して可視化、分析しやすくしたものをカスタマージャーニーと呼びます。

Cookie (クッキー)

ウェブブラウザに保存された、ユーザーがウェブサイトで閲覧・利用した内容を含むファイルのことを指します。 ユーザーのログインIDや閲覧・活動履歴などの情報が保存され、次回そのサイトを訪問した際の利便性が高まる一方で、個人情報保護の観点から欧米を始め日本でも本人の同意なしにCookieを取得できないなど、法規制が始まっています。 ウェブ広告の一種であるリターゲティング広告(自社サイトを訪問したことのあるユーザーに、自社のウェブ広告を再度表示するような仕組み)はCookieを利用しているため、 Cookieを使用しないターゲティング広告の手法(コンテキストターゲティング広告など)が開発され始めています。その背景には、Safari(Apple)を始めとするウェブブラウザによるCookie利用の廃止・規制の動きがあります。

LP (エル・ピー)

LPとはLanding Pageの略語です。一般には特定のウェブサイトの中でユーザーが最初に開いたページのことを指しますが、ウェブマーケティングの世界では、ウェブ広告をユーザーがクリックした後に見るページのことを指します。広告クリック後にユーザーが開くLP(ランディングページ)には、ユーザーに取ってもらいたい明確な行動(メルマガ登録、セミナー申し込み、お試し商品購入など)が定義され、その目的達成のために精密なページ設計が行われています。
例えばユーザーの離脱を防ぐために、他ページへのリンクが含まれておらず1枚で完結するのが通常だったり、ユーザーが申し込みボタンを押しやすい場所や大きさ、色についてもセオリーが存在します。このようにLP(ランディングページ)は、別名「あなたの代わりのセールスマン」とも呼ばれ、コピーライティングとともにダイレクトレスポンスマーケティング(ウェブ上で人々に対して直接商品・サービスを販売する手法)に欠かせない重要な分野の一つです。

コンバージョン

LPやECサイト、ウェブサイトなどであらかじめ設計したユーザーにとってもらいたい行動 (メルマガ登録、資料請求、セミナー申し込み、商品購入など)を実際にユーザーがとる行為(メールアドレスを入力して申し込みボタンを押すなど)を指します。 ウェブマーケティング上の重要なKPI (Key Performance Indicator)、成果指標の一つです。

CTA (シー・ティー・エー)

CTAは、Call to Actionの略語です。ユーザーがコンバージョンする際の申し込みや購入するためのボタンやリンクのことを指します。 コンバージョンしやすいボタンの位置や大きさ、色などを最適化する際に、2種類のCTA(例:赤いボタンと青いボタン)でのコンバージョン成績を比較するテストのことをA/Bテストと呼びます。

SEO (エス・イー・オー)

SEOはSearch Engine Optimizationの略語です。ウェブサイトを検索エンジンに最適化(Search Engine Optimization)することで、Googleなどの検索エンジンから高い評価を得て検索順位を上昇させる行為のことを指します。大きく分けてテクニカルSEOとコンテンツSEOの2種類があり、テクニカルSEOがウェブサイトや各ページの読み込み速度やモバイル対応、HTMLタグやカテゴリーなどの構造を最適化する一方で、コンテンツSEOはユーザーの検索意図を最も満足させるような記事や画像(コンテンツ)を最適化することを目指します。 コンテンツSEOには品質の高い外部サイトからのリンク獲得や、権威性の高い著者/監修者による信頼獲得なども含まれます。



データ分析に関する用語

データ分析とは、データを収集、前処理、可視化することで問題の原因や解決策を発見し、将来の予測も行うことで合理的な意思決定を促進することを指します。

ビッグデータ

大量(Excelだと10万件以上のイメージ)かつ多様なデータの総称で、リアルタイムで継続的に生成されることが多く、テキストデータ、画像データ、音声データなどのデータを含みます。 ECサイトの顧客・販売データ、SNSに日々投稿されるデータ、IoTで使用されるセンサーから送信されるデータなどが日々蓄積されていくので、データ量がテラバイトを超えることも珍しくありません。

構造化データ

Excelのような表形式に整理することができるデータ構造のことで、RDB(リレーショナル・データベース)が代表的です。分析しやすい反面、扱えるデータが限定的とも言えます。

非構造化データ

テキストデータ、画像データ、音声データのようにデータを構造化するための規則がなく、データの種類によって高度な手法(自然言語処理、画像解析など)を用いて分析する必要があるものを指します。 現代社会においては、非構造化データの割合のほうが構造化データよりも多く、大量の非構造化データを保管する場所はデータレイクとも呼ばれています。

IoT (アイ・オー・ティー)

IoTとはInternet of Thingsの略語で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。例えば、農場に温度・湿度センサーや土壌の成分を測定するセンサーを設置し、最適なタイミングで水や農薬、肥料などを散布したり、果物の成熟度を測定して収穫時期を決める、というような活用方法を指します。 他にもスマートホームなどが事例に挙げられます。 IoTが急速に発展した背景には、センサーチップが安価に供給されるようになったことと、情報を瞬時に送受信できるクラウド環境の発展があります。

RasBerry Pi (ラズベリー・パイ)

電子工作や学習用ロボットなどの教育用としてイギリスで開発された1−2万円程度の安価なコンピューター。 センサーを使ったIoT開発の試作用としても良く用いられ、難易度の高いC言語ではなく、PythonやScratchで開発ができることも人気の要因となっています。

BIツール (ビー・アイ・ツール)

BIはBusiness Intelligenceの略語です。データの前処理やグラフ・表による可視化、統計処理による分析などをノーコードで行うことができるツールのこと。
基本的には「高度なExcel」と考えることができますが、Excelとの違いは
・10万件以上のビッグデータを扱える
・クラウドで組織メンバーとリアルタイムで共有できる ことです。
企業内のビッグデータを一元管理して複数のグラフや表で可視化したものを「ダッシュボード」と呼びますが、データドリブン経営の浸透によりその作成ニーズ、求人ニーズは非常に高まっています。 ノーコードで利用できるのでミドルシニアでもデータ分析に挑戦しやすい分野だと思います。
Salesforce社のTableauが代表的なBIツールですが、Microsoft365に同梱されているPower BIも非常にポピュラーです。

Data Lake(データ・レイク)

データをどんどん放り込むことができる保管場所のこと。テキストや画像、音声など異なる形式のデータ(非構造データ)を何も考えずに放り込めるため ”大きな池” ー データレイクと呼ばれています。

ETL (イー・ティー・エル)

データ分析の前準備として重要なデータの前処理(抽出:Extract, 変換:Transform, 格納:Load)の総称。データレイク中のビッグデータの扱いなどに便利なETLツールが各社から提供されています。 ExcelやPower BIにはPower QueryというETLツールが付属しています。

Microsoft Fabric (マイクロソフト・ファブリック)

Microsoft社が提供するデータ分析とAIのためのSaaS型統合プラットフォームとして注目されています。 同社のサービス(Microsoft365, Power Platform, OneLakeなど)とも統合され、ビジネスに直結するデータインサイトをリアルタイムに提供することを目的としています。



人工知能・機械学習・ディープラーニングに関する用語

人工知能が「分類」や「予測」を行うためのモデル(アルゴリズム:目的達成のためのロジックやストーリーのこと)を生成するためには大量のデータを学習する必要があり、その仕組みとして機械学習・ディープラーニングがあります。

機械学習

コンピューターに大量のデータを入力し、その傾向を学習させることで「分類」や「予測」を行う技術のことを指します。解答のある訓練用のデータを機械学習させモデルを生成させる手法を「教師あり学習」と呼ぶ一方、クラスタリングなど、データのグループ分けによって分類していく仕組みを「教師なし学習」と呼びます。

ディープラーニング

「ディープラーニング」は機械学習を発展させた手法であり、機械学習の一種と言えます。脳の神経細胞ニューロンを真似て、ソフトウェアの人工ニューロンを複数重ねた層を何枚も(ディープに)重ねたニューラルネットワークを作ります。異なる判断基準を持つ一つひとつの人工ニューロンが多数決のような形で、自ら選択の重み付けを変えていくことを繰り返して学習していくことで「分類」や「予測」を行う仕組みです。

生成AI (エー・アイ)またはジェネレーティブAI

ネット上を始め社会に存在する膨大なデータを学習させ、テキスト・画像・音声・動画などのコンテンツを「生成する」ことができる人工知能のことを指します。従来のAIが決められた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的としています。

ChatGPT (チャット・ジー・ピー・ティ)

OpenAI社が開発した生成AIで、生成AIブームの火付け役。イーロン・マスクがOpenAI社を立ち上げたことでも知られ、多言語対応と自然な会話力が特長です。

Gemini (ジェミニ)

Googleが開発した生成AI。Googleのミッション「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」に則り、ウェブ上の情報検索や整理を得意としています。

Microsoft Copilot (マイクロソフト・コパイロット)

Microsoftが開発した生成AI。 Office製品などMicrosoftサービスとの連携が魅力で、Excelの使い方をガイドしたりグラフを生成してくれます。プログラミングのコーディング支援も得意でMicrosoftが提供するコードエディター VS Codeと組み合わせれば、コードの提案や修正などもしてくれるため、エンジニアの間で人気となっています。



業務効率化に関する用語

ITによる業務効率化とは、手動で行っていた作業を自動化したり業務アプリやシステムを導入することで人員の作業量や時間を大幅に削減することを指します。 実務に直結する分野のため求人が多い分野の一つです。

RPA (アール・ピー・エー)

RPAはRobotic Process Automationの略語です。請求書の発行、PDF化、メールでの送信、フォルダに名前を付けて保存、などの一連の定型業務を人間の代わりに行ってくれる自動化のことを指します。 Excel VBA(マクロ)による自動化はExcel内の操作の自動化にとどまり、かつプログラミング言語(VBA)によるコーディングが必要な一方で、RPAは複数のソフトウェアやシステム間にまたがって原則ノーコードで自動化できるのが大きな特長です。
RPAは業務効率化・DXの重要な1分野として認知されており、金融業界などでの導入が進んでおり、UiPath(Windows/Mac用 グローバルブランド)やWinActor (Windows用 NTT DATA日本ブランド)などが有名です。またMicrosoft365に同梱されているPower AutomateによるOffice製品などの自動化から手軽に体験してみることもおすすめです。 ノーコードで利用できることのみならず、深い事業理解と実務経験が必要な分野でもあるので、特にミドルシニア世代におすすめのスキルです。

Excel VBA (エクセル・ヴイ・ヴィー・エー)

Excel内の操作を自動化する仕組み(マクロ)をプログラミングするための言語(Visual Basic for Applications)のこと。 Excelでの見積書作成、PDF化、フォルダへの保存などを自動化することができ、経理・総務・人事分野などの業務に広く活用できるため、古くから業務効率化スキルの一つとして認知されています。2024年現在においても安定した求人があり、習得すればプログラミングができる人材としての活躍も期待できるスキルの一つです。
資格としてExcel VBAベーシック/スタンダード(Odyssey社)があり、スキルの証明や学習方法の一つとして人気があります。

Microsoft Access (マイクロソフト・アクセス)

Microsoft社の主にWindows用のデータベース作成・管理システムで、 カスタマイズや自動化する際には、通常VBA言語によるプログラミングをおこないます。 Excel VBA(マクロ)同様、インストールしたローカルPC上で動作する仕組みのため、チームや組織での共有には向いていないのが短所と言えます。 資格としてAccess VBAベーシック/スタンダード(Odyssey社)があリます。

ウェブスクレイピング

ECサイト上の多数の商品情報(商品名、価格)や金融サイト上の株式情報(社名、株価)などを自動で取得する行為を指します。Pythonでプログラムを作成するのが一般的ですが、ノーコードで使用できるスクレイピングツール(Octoparseなど)も存在します。
短時間で何度もサイトにアクセスされるとサーバーへの負荷が増大するので、サービス規約によってスクレイピングのためのアクセスを禁止しているサイトもあります。

ウェブクローリング

一つのサイトから自動で情報を取得する行為を「スクレイピング」と呼ぶ一方で、インターネット上の複数のサイトを自動的に巡回し情報を取得する行為を「クローリング」と呼びます。 サービス規約によってクローリングのためのアクセスを禁止しているサイトもあるのはスクレイピングと同様です。
Googleがサイトの検索順位付けの評価などのために、ロボット(検索エンジンボット)によるインターネット上のサイトのクローリングを行い、ページ品質などを定期的に評価している例が有名です (サイト運営者は設定によってGoogleからのクローリングを制限することが可能です)。

Bot (ボット)

インターネット上であらかじめ決められた作業を人間の代わりに行うようにプログラムされたソフトウェア(ロボット)のことを指します。 チャットに自動で返信するチャットボット、ウェブページをクローリングし評価する検索エンジンボット、投稿や返信を自動で行うソーシャルメディアボットなどがあり、ビジネス利用が進んでいます。

Microsoft Power Platform (マイクロソフト・パワー・プラットフォーム)

Officeを始めとするMicrosoftサービスの連携と自動化をノーコード・ローコードで実現し、ビジネスプロセスを加速するための以下のサービス群のことを指します (2024年9月現在)。
Power BI:Microsoft Fabricsの一部としてデータの前処理・可視化・ダッシュボード作成を行うデータ分析のためのBIツール
Power Automate:Microsoft365サービスなどの作業を自動化するためのRPAツール
Power Apps:業務アプリを手軽に作成することができるノーコード・ローコードアプリ開発ツール
Power Pages:ノーコードのウェブサイト作成ツール
Copilot Studio:ローコードでCopilotを自社向けにカスタマイズできるサービス。問い合わせ対応チャットボットの作成や自社データの分析、資料作成などに応用できます。
さらにこのプラットフォームに対してMicrosoft社のAI (Microsoft Copilot)による作業支援やデータベースサービス(Dataverseなど)が提供されています。


用語解説:TECH GARDEN SCHOOL



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