女性の活躍

「働きつづける」から、「活躍する」へ

女性活躍推進法の後押しもあって、企業は制度や仕組みを整備。近年、女性が働きつづけるための環境は大きく進化しています。とはいえ、女性管理職比率や世界経済フォーラム発表のジェンダー・ギャップ指数などに注目すると、日本は世界的にみても遅れをとっているのが現状。ただ働きつづけられたらよいのではなく、女性がフェアに活躍していくためには何が必要なのか。今、企業に求められているのは、この視点で真の女性活躍を推進していくことです。

女性の活躍をもっと知る

テーマをとりまく現状

必要なのは「働ける」ではなく、「活躍できる」
前向きにキャリアを重ねられる仕組みづくりを

近年、出産・育児にまつわる各種制約を解消するべく、各社が競うように女性が働きやすい職場・制度をつくったことで、世の中は確実に変わり始めました。2016年の女性活躍推進法の施行も企業における情報公開・課題分析・施策の推進を後押し。女性が結婚・出産を経ても働きつづけることはもはや珍しいことではなくなり、責任のある仕事を担っている女性も増えています。

その一方、世界経済フォーラムが公表しているジェンダー・ギャップ指数は149カ国中110位(2018年12月発表)と、世界水準で考えると、日本の女性活躍は大きく後れをとっていると言わざるを得ません。例えば、民間企業における女性管理職(課長以上)の割合は10・9%と低く、現在も子どものいる女性就労者のうち約半数が出産後に離職。

この実態からも、女性が継続的に働きながらキャリアを積み上げるにはいまだ困難が多いことが分かります。このように、日本における女性活躍の取り組みは、いまだ発展途上。しかし、「女性が働きつづける」から「女性が輝ける」へと目指すステージが移っているのは一定の成果でもあります。

今後は女性が継続的に働く中でどうやって前向きにキャリアを積み上げてもらうかがポイント。評価制度や育成のあり方など、女性がフェアに活躍できる仕組みを整えることが大切になってきています。

働きやすい職場づくりの3つの工夫

評価制度を仕組みから見直す

出産・育児などのライフイベントを迎えると、どうしても時間的な制約が生じます。制約があっても実力や働きぶりを正しく評価しないと彼女たちの仕事に対する意欲を下げてしまいかねません。そのため、プロセスではなく成果で、時間的な制約があっても公平に評価する仕組みへ変えていきましょう。また、昇進や成長できるポストへの任用を検討する際は、過去からの実績や評価の積み上げではなく、今の成果や能力を基準にし、ブランクや制約が不利にならないように判断しましょう

女性の幹部候補を育てる

多様性の高い組織はイノベーション力や問題解決力が高いという実証結果もあり、女性を幹部に起用することは、多様な視点をもった経営・組織をつくるために有効な手段。単に数値目標を満たすのではなく、強い組織づくりのためと捉えて取り組みましょう。女性リーダーを育成する上では、研修の実施だけでなく、成長の機会となるチャレンジポストへの積極的な任用を。メンバーから管理職、役員までの各リーダー候補がつながりをもち、相談できる関係性をつくることも重要です。

若手のうちに先回りで経験を積ませる

子どもを出産するとなれば、その前後で一時的なキャリアの空白期間が避けられないように、女性にとって仕事における成長やキャリアの構築は常に時間との闘いです。そのため、ライフステージの変化を見据えて先回りをした経験・成長をしておくことが大切。例えば入社後数年で複数のジョブローテーションをさせ、実力がある人にはリーダー職を任せてみる。できれば20代の間にリーダーシップと個人の強みをいかした専門性が身に付いていると、産育休や時短勤務の期間も成長のハンデになりません。

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※2020年3月現在の情報です

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